タイトル『夏祭り』








「・・・どうしよう・・・」


は今にも泣きそうな顔でそう呟いた。

その声は、大勢の人の波にかき消されてしまう。


今日は夏祭り。 は葉・アンナ・ホロホロ、そして蓮と一緒に遊びに来ていたのだが、

人ごみとなれない浴衣のせいで、うっかり皆からはぐれてしまったのだ。


「(・・・うう〜・・・人間が邪魔すぎる〜!いったいどっから湧いてるのよ!

この場で銃発砲とかできたら、すごいすっきりするのに〜!)」


恐!

まあ、その気持ちはわかるがな。


「・・・ほんとにどーしよ・・・」


下駄の花緒がが擦れて、皮膚がひりひりする。

なれない事はするべきじゃなかったと後悔するが、今更で。

・・・だって・・・蓮に浴衣姿・・・見てもらいたかったんだもん・・・

はーっと大きなため息をつく の腕を、ぐいっと強い力が引っ張った。


「へ!?な、何!?」


仰ぎ見た先にいたのは・・・今一番・・・逢いたかった人物で・・・


「・・・蓮・・・」

「・・・まったく、探したぞ。

いきなりいなくなるな。オレの心臓に悪いだろうが」


口調は怒っている感じだが、その目はあきらかにほっとしていた。

かなり探したのだろう。

浴衣が着崩れて、鎖骨まで見えている。


「うん・・・ごめんね・・・。

それと・・・ありがと蓮。でも、こんなにたくさん人がいるのに、よく見つけられたね」


「・・・どれだけ人がいようが、関係ない。

お前意外は皆、モノクロにしか見えんからな」

「・・・えへへ////」


はぎゅと蓮の腕にしがみついた。

・・・しあわせ・・・だな・・・V


「・・・ある意味、良かったがな。お前が迷ったのは」

「え?何で?」


きょんとした に、蓮はトンガリをビンビンにさせると、怒った顔で


「貴様はあのままで良かったのか!?

本来今日は二人で来るはずだったのにも関わらず、

あの馬鹿どもが勝手について来たのだぞ!!あいつら邪魔が目的だったに決まっている!!」


苦々しく口唇を噛み締めながら、地団駄を踏む。

殺気だつ蓮に、二人の周りから人がざざっと離れた。


「で、でも、大勢の方が楽しいし・・・」


何とかフォローしようとするが、

この状況で葉たちを庇うのは、火に油を注ぐようなもの。

案の定蓮のトンガリは、空にむかってえらい勢いで伸びている。


「・・・・・・」


蓮は の腕を掴んだまま、無言で歩き出した。

その歩幅は大きく、スピードは速い。


「ちょっと、蓮!?

どーしたのよ!?腕痛いよ!!」


抗議の声にも振り向かない。

ただ黙々と歩き続け、二人はいつの間にか、神社の裏の茂みの中に入っていた。

辺りに人影は・・・ない・・・

蓮はそのまま、目の前の木に の身体を押し付けた。


「痛っ!・・・どーしたのよ蓮ってば!?

いったい何怒ってるのよ!?いい加減にしないと、あたし怒るよ!!」


木の硬さが、背中に伝わる。

声を荒らげる の口唇を、蓮は強引に奪った。


「んんっ・・・!」


歯列を割って侵入してきた蓮の舌。

の舌を絡め取り、口唇に軽く噛み付き、思うがままに貪る。

深く執拗な口づけに、 の脚が力を失うと、手を更に強く握った。

浴衣の袷をかき分けた蓮の熱い指先を、直に肌に感じる。


・・・お前は・・・オレだけを・・・見ていろ・・・」


甘く・・熱い吐息が・・・蓮の唾液で妖しく濡れた・・耳朶をくすぐる・・・

頭の中が・・・蓮で・・・埋め尽くされる・・・


「ふ・・・あ・・・っ・・・れ・・・ん・・・っ」

「愛している・・・ ・・・」


恥らって声を堪えようとする、いじらしい姿に

・・・胸が熱くなる・・・

自分の指と舌に反応する が・・・

・・・愛しい・・・

闇のなかで、 の白い肌が淡く耀く。

そこに散った紅の跡が・・・あまりに艶やかで・・・あまりに扇情的で・・・


・・・ ・・・」

「はぁ・・・や・・・あ・・・」


蓮は帯を外そうと、乱れた の浴衣に手をかけ・・・


ー!どこにいるんよ〜!」


近くで聞こえた知った声に、 は驚いて目を見開いた。


「よ、葉!?」

「・・・気にするな。放っておけば、その内いなくなる」


そのまま行為を続行しようとする蓮を、慌てて引き剥がした。


「気にするに決まってるでしょ!!」


急いで浴衣を正した直後、


「おお!探したぞ

「・・・ここにいたのね」

「ったく心配したぜ」


現れた葉・アンナ・ホロホロに、 は内心の焦りを隠すように早口で、


「ご、ごめんね!何かはぐれちゃって!さっき蓮に見つけてもらって

葉たちのことも探したんだけど、その、道に迷ったみたいで、えっと、だから・・・」


ちらっと蓮を見ると、不機嫌を前面に出した顔で、ムスッとしている。


「・・・まあ、何にしても、見つかってよかったぞ 。ついでに蓮も」

「う、うん。それじゃあ、縁日の方に戻ろっか」


蓮の手を引いて、真っ先に歩き出す。

その右手と右足が同時に出ているのには、 は全く気づいていなかった。





「(ふ〜。まさに危機一髪だったな・・・)」


やれやれと肩を落とす の頬に、ふいに冷たい感触がした。


「っ!・・・蓮!?」

「それでも食え。まだ熱が引いていないようだからな」


差し出されたのは、ピンクに染まったカキ氷。

どーやら、長い列に並んで買ってきてくれたらしい。


「・・・ありがと・・・蓮・・・」


照れてはにかんだ笑みを浮かべる に、顔を寄せると


「後で、さっきの続きをな・・・」

「!!?れ、蓮〜〜〜〜!!?」


の熱は収まるどころか、ますます上がったのであった。





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あとがき(言い訳)


何かまとまりのない話ですね・・・(汗)

お祭りってリクでしたのに全然違う方にいってしまいまして(><)

カキ氷もちょろっとしか出てないし・・・

修行します!!


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亜沙魅さまのサイトで6000踏ませていただいたので
滅茶苦茶素敵な蓮ドリーム頂きましたvv
いぶきのリクは夏祭り(in浴衣←オーバーソウルじゃないんだから;)
で微エロでさらにカキ氷ってことで・・・・(謎)
こんなワケの分からないリクにもしっかり答えていただけて!!
っていうか蓮マジでかっこよすぎVv
無理矢理人のいないとこに連れ込む辺り素敵だよ・・・












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