一目見たその時から気に入った。
初めて見たその時から、僕の彼女にするにはコイツしかいないと、思ったんだ。
マグル×ハーフ×純血
その日僕はホグワーツの入学準備のために父上と一緒にダイアゴン横丁へ来ていた。
買い物をしていると、父上の仕事の知り合いと出会ってしまった。
話が長引きそうになったようで、父上は僕に近くの店で何か飲み物でも飲んでいるように言ってきた。
僕は言われた通り店に入り、席を探した。
しかし、ほとんどの席は埋まっていた。
見知らぬ奴と相席になるなんてごめんだ。
どこかの下等そうなヤツをどかせて無理やり座ろうか、等と考えていると、
女が一人でジュースを飲んでいるところだった。
4人掛けの席のところに一人だけで座っている。
僕はその女に見覚えがあった。
昔、優秀な由緒ある魔法使いのみで開かれたパーティーの時に、
一際美しく、目だっていた女、父上に尋ねたら『家の娘だ』と話してくれた。
今あそこに座っている女は昔見た時に比べれば大分大人びてきてはいるが、
まぎれもなく、あの時のミス・だ。
初めて見た時からなんとなく目についていたし、
あの女となら少し話をするのも良いかもしれない、と思った。
「やぁ、ミス・。」
僕は彼女の席まで歩いていくと、おもむろに声を掛けた。
彼女は驚きながら大きな目をますます大きくして僕を見た。
「あなたは・・・?」
「僕はドラコ・マルフォイ。君まらこの名前に聞き覚えはあるだろう?」
フッと鼻高に笑いながらそう言った。
「あぁ、あのマルフォイ家のね・・・なるほど。だから私の名前も知ってるのね。」
納得した表情でニッコリ笑ってみせた。
「誰か待ってるのかい?」
僕は彼女の向かいの席に座りながら尋ねた。
「ミスター・マルフォイ、その席に座って良いなんて言った覚えは無いのだけど。」
妙に落ち着き払った態度でそう言ってきた。
意外な言葉に僕は一瞬口ごもってしまった。
「ダメなのかい?」
「別にかまわないんだけど。」
何なんだろうこの女は・・・
「それより、君も今年ホグワーツに入学なのかい?確か僕と同じ年だったと思うのだけど。」
「ご名答。そうよ。だからあたしも今日は新学期の買い物に来たの。」
またニッコリと微笑んでくれた。
さっきの言葉とか、色々変わってると思う部分はあるけど、彼女のこの整った顔を見ているとそんなことはどうでも良いかな、と思えてきた。
「そうか。でもきっと君も優秀な魔法使いに違いない。」
僕はニヤリ笑いながら言ってみた。
「どうして?」
彼女はストローからチューと小さく音をたててジュースをすっていた。そんな姿も可愛かった。
「君の家、つまり家も由緒ある一家だろう。つまりは”純血”だ。」
「純血なら優秀な魔法使いなんだ?」
「当然だろう?君ほどの家の人間なら分かってると思うけど。」
「お生憎様vあたしはハーフよ。」
見とれそうなほどの笑顔だった。
だが。
「・・・・は??」
一瞬固まってしまった。
そんなはずがない!彼女がハーフ!?馬鹿な!
「そんなワケないだろ!なぜ家のお前がハーフなんだ!?」
席から立ち上がるような形になって身を乗り出して僕が言った。
周りの客達も一斉に僕たちの一角に注目した。
「なんでって言われても・・・・」
僕の大声にも全く動揺されずに彼女は全く先ほどと変わらず落ち着いているようだ。
「皆が見てるわよ、ミスター・マルフォイ。」
そう言われたので僕はとりあえず周りのヤツらをきつくにらみつけるようにしながら席に着いた。
「何故お前は純血じゃないんだ!?」
僕はもう大混乱だ。一体何がどうなっているのか。
そんな僕の心情を知ってか知らずか。
「ぷっ・・・あっはっはっは!!」
彼女が突然腹を抱えて笑い始めた。
「・・・・なっ・・・・」
僕が何が何だか分からずポカンとしていると、
彼女は必死に笑いを少しずつ抑えながら話し始めた。
「冗談v」
「・・・・は??」
「ちょっと言ってみただけよ。あなたの思っている通り、あたしは純血ってヤツよ。」
やっぱりこの女のことはよく分からないと思った。
でもからかわれていたのかと思うと恥ずかしく、僕は真っ赤になってしまった。
「お、前・・・!何を考えているんだ!?」
「何考えてようとあたしの勝手じゃないv」
そう言ってまた最初の頃のようにニッコリと笑ってみせた。
その時だった。
「あ、ーー!ごめんね!待った?」
店の中に入ってきた一人の女が僕たちの方へと駆け寄ってきた。
「ううん。あたしもさっき来たところだから。」
彼女はそう言って笑顔で答えていた。
「じゃ、一緒に買い物行こうか。あ、その子は・・・友達?」
そういってその入ってきた女は僕を見て言った。
「うーん・・友達と言えば友達だけど違うと言えば違う・・・かな・・・?」
彼女・おそらくファーストネームはというのだろうが、
の友達は『は?』という顔でを見ていた。
「あんまり気にしなくて良いよ!じゃ、行こう!」
そう言っては席を立って行った。
「ミスター・マルフォイ。」
彼女は振り向きならそう声に出した。
「ドラコだ。」
僕はそこでおすかさず言っておいた。彼女をファーストネームで呼ぶためには自分のファーストネームも知ってもらおうと思った。
「ドラコ?何が?」
ズルッ
「名前だよ!ドラコ・マルフォイだ!」
「あぁ成るほど!」
やっぱりこの女は変だ。でも美人だ・・・
「じゃあドラコ・マルフォイ。」
なぜフルネームなんだとつっこみたかったが、とりあえず彼女の話を聞いておこうと思った。
「あたしは確かに貴方と同じ純血だけど、あなたと違うのは別にハーフやマグル生まれが悪いとは思ってないよ。マグル生まれにだってあたし達より優秀な子はきっといっぱいいる、って。そう思ってるからね。貴方の考えを否定するつもりは無いけど初対面の相手に対して自分の意見を押し付けようとするのはやめたほうが良いと思うよ。」
そして最後に、『じゃあ、良い夏休みをね。』と言い残して去って行った。
・
本当にすごい女だと思う。
第2話へ
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なんか突然書きたくなったんです。ドラコ夢が。
この前友達と一緒に映画見た所為かな?
逆ハーを書くつもりなのですがどう考えても絶対ドラコびいきになっちゃいますね、多分。 |