好きな気持ちがどうしようもなくなった時、
その好きな人が自分から離れていってしまったら、どんなに悲しいだろうか・・・・
手を繋ぐ
今俺の隣で眠ってるんは三ヶ月前から付き合いだした彼女の。
勿論、この年に男女が同じベッドで寝てるっちゅーことは
さっきまでそれなりのことがあったワケなんやけど。
は美人やと思う。けどそれと同時にえらいクールやと思う。
半年前くらいからがテニス部の試合を見にくるようになっとった。
最初は部内で’誰に興味があるのか’という話題で持ちきりとなっていた。
跡部は『俺様に決まってんだろ』とか言い出すし
岳人は『女の子が見にくるっつったらやっぱ俺のアクロバっしょ!』とか言っとるし。
俺は『何言うてん。氷帝一の美男子言うやら俺なんやから俺の可能性が一番高いに決まっとるやん?』
と言おうとしてやめておいた。
まぁここら辺で争わん辺りは、やっぱ俺は大人っちゅーのを分かっとるんやな。
は他の女子たちみたいにキャーキャー騒いだりするんやなくて、
本当に、ただじっと試合の様子を見ていた。
そんなところに惹かれたのかもしれへん。
気付くと俺もを目で追うようになっとって、
が来ぉへんかった日はなんで来んかったんか気になって仕方なくなっとった。
そんな自分の気持ちに気付いた一ヶ月前、丁度前の彼女を別れたばっかやった俺はとうとう告ってみた。
そしたらは『あたしも・・・』言うて俺たちはそのまま付き合うことになった。
高校生にもなって三ヶ月も付き合ってるとなると、既に何度か体を重ねることもあった。
せやけど最近おかしいんや・・・
俺を会うとえらいつまらなそうな顔するし、最中もあんまり俺のこと見ててくれへん・・・
あんまり感じてくれへんし・・・
最近は俺じゃを満足させられてない気がしてならへん。
ほんま、心配なんやけど・・・・
に訊いても『そう?』とか言うだけで何にも答えてくれんし。
「・・・・・んッ・・・・」
横で俺がじっとを見つめながら髪を撫でていると、が少し身じろぎながら目を覚ました。
「おはよーさん。」
「・・・ん・・・ゆうし・・・おはよ・・・・」
まだ眠そうな目で俺の方を見上げながらそう言ってきた。
「、今日は結局一回もイッてくれへんかったな・・・」
「・・・ん・・・そうだっけ・・・」
俺が真剣な面持ちで彼女に問い掛けた言葉はいつものようにひらりと交わされてしまった。
「なぁ、なんでなん?」
「さぁ?」
「なんで最近俺のこと見てくれへんねん?」
「見てるよ。」
「嘘やん!」
「見てるってば。」
そう言いながら寝返りを打ってフイと向こうを向いてしまおうとした。
俺はそんなの肩をグイと掴んでそのまま彼女の上に覆い被さった。
「ゆうし・・・?」
いきなりのことに驚いた顔を向けてきたが、俺の顔は変わらず、真剣なままやった。
「・・・・最近変やで、・・・・!!」
「・・・変じゃないってば・・・」
「・・・俺のこと嫌いになったん?」
「違うよっ!!」
あまりに強く否定されてまって、俺も少し焦ってしもた。
「じゃあ、なんでなん・・・・」
「・・・・何でもない・・・・」
「俺に隠さないかんようなヤバイことなんか・・・・」
「違うよ!」
「じゃあなんで言わへんねん・・・!!!」
そう言っての唇を塞いだ。
唇を割って入っていった舌での口内を荒らした。
「・・・んっ・・はぁッ・・・・」
「俺はのこと好きや。」
「うん。あたしもゆうしが好きだよ。」
「ほんならなんでもっと笑ってくれへんの!俺といるのがそんなに楽しくないん!?」
「そんなワケないじゃん・・・・」
「・・・・・、ハッキリ言ってーや・・・ が俺のこともう嫌いになったんやったらそれでええ・・・が今みたいに俺に笑ってくれんまま付き合っとるん、俺は嫌やで・・・・?」
ずっとすました表情で、眉一つ動かさないままはじっと俺を見上げとった。
俺はかなり感情が高ぶっとって、の上から真剣な面持ちをずっと向けていた。
しかし、最後の言葉の辺りには、の目に涙が溜まってきているのが分かった。
「・・・・楽しいよ。楽しいから嫌なんだよ・・・・・」
今にも泣き出しそうな顔で言ってきたの言葉はその時の俺にはさっぱり分からんかった。
「・・・・・・・・・・・は?」
俺はしばらく沈黙した後、そう言った。
「あたしはゆうしが誰よりも好きだから、逆に心配・・・ゆうしに会う旅に好きになっていっちゃう自分の気持ちが・・・」
「・・・・・どういうことやん。」
の頬はすでに涙が伝っていて、
顔は随分崩れていた。
「ゆうし、あたしと付き合う直前まで、別の彼女と付き合ってたでしょ。」
「あぁ、そんなこともあったな。」
何ではそんな昔のことを持ち出すんやろ、と思いながらも、俺は至って冷静に答えた。
「それでね、友達が言ってた。『忍足くんの前の彼女、より大分美人だったらしいから。気をつけなよー』だってさ。」
「何やねんその『気をつける』って・・・・」
「・・・・ゆうしが、いつか、やっぱりあたしなんかより前の彼女が良かった、って行っちゃうんじゃないかってこと。」
「・・・・・・・は?」
するとはギュッと俺の背中に手を回してしがみついてきて、
俺の胸にぴっとりと顔をくっつけてきよった。そこで泣いているのは確かやったな。
「あたし、ゆうしが・・好き・・・ッ。会う度に・・・好きになっていってる・・・・!!だけどね、友達にその言葉言われた時からすっごく不安・・・いつか・・・あたしが、ゆうしが好きって・・・いう気持ち・・・、押さえ切れなくなった・・・時に、どうしようもなく、ゆうしが・・・・好きで・・・仕方なく・・・なった時に・・・」
の声はひっくひっくとしゃくりあげとって、途切れ途切れやった。
「どうしようもなく・・・ゆうしが好きになった時に・・・ゆうしが・・・あたしから離れていっちゃったら・・・・?自分の・・・気持・・・ちが・・・抑えきれなくなった時に・・・ゆうしが、あたしから離れて・・・前の彼女のとことかに・・・戻っ・・・ちゃったりしたら・・・もう、ダメになっちゃう、あたし・・・・」
「・・・・・・何言うて・・・」
そういい掛けた俺の言葉はまたにさえぎられてしまった。
「あ、たし・・・心配になってきちゃった・・・ゆうしと会う度に、ゆうしを好きになっていっちゃう自分が・・・・」
そこまで言い終わるとはこらえきれなくなっていた涙が一気に溢れ出してきとった。
俺はそのままを優しく抱きしめて、言った。
「残念やわぁ・・・ほんなら今の俺は『どうしようもなく好き』ってとこまでは愛されとらんのかぁ・・・」
苦笑しながら、冗談交じりに悪戯っぽく言った。
そんな俺を見たは『え・・・』と言いながらまた続けてきた。
「馬鹿ゆうし!だからさっきから言ってんじゃん・・・!!」
「せやから本気で好きになれって言うてんねん。」
再び唇を重ねようと、俺との顔が近付いていった。
「さっき話したこと・・・ッきいてなかったの!?」
そう言ってはグイと俺の肩を押し返してきた。
「安心せぇ。俺はどこへも行かへんて・・・」
そして彼女の抵抗も無視して無理矢理唇を奪った。
ここ最近、こんなキスはした覚えはなかった。
いや、ここ最近やない、今までの中で一番深いキスやった気がする。
「そんなに心配やったら、これからちゃんと確かめとき?今日は最中もずっと手握っとってやるわ。俺がずっとここにいるっちゅーこと、自分で確かめてみ?」
そう言って既に露になっていたの体を鎖骨・胸・腹へと丹念になめ上げた。
「そ、そんなこと言ってんじゃないもん・・・ッ!それよりッ・・・今日2回目・・・だよっ・・・?」
俺の頭をグッを小さな力で押しながらが言っとった。
「分かってとる。けど、少なくとも俺は今はどこへも行かへんし、これからもずっとと一緒にいたいと思っとる。その気持ちも、きっと手握っとったら伝わってくれると思ったんやけど・・・それじゃまだ足りへん・・・・?」
「・・・・そ、れはッ・・・・」
は真っ赤になりながら恥ずかしげに視線を逸らした。
俺はそれを見てニヤリ笑うとの秘部へと手を伸ばした。
「ほら、もうこんなに濡れとるやん・・・こんなに早う濡れたん、久しぶりやなぁ・・・・」
その日は、は何度も俺にイかされよった。
やっぱ、俺はこの女が一番好きなんやと思う。誰よりも。永遠に・・・・
END
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忍足の裏を書いてみた。
と言ってもあんまりエロくないし・・・・
エロい裏を期待してた方、ほんとスイマセン!
そしてこれは一応アキラちゃんへのプレゼントなのよね・・・・
アキラちゃん、こんなんで良いですか・・・・?
珍しく私にしてはシリアスで甘いの・・・・ッ!頑張ったのっ・・・・!!(ウソつけ)
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