鳳長太郎、現在人生の窮地に立たされてます・・・
 ホント、俺はどうするべきなんですか・・・・??

相談室再び 後編

 この観覧車、なんでカーテンが付いてんですかっ!!!??
 いや、観覧車って景色見るためのモノですよね・・・?それがカーテンって・・・・・・
 ど、どう考えてもコレは・・・その・・・・ あ、いやいや!何考えてんだー俺!!!!
 も、もしかしてさん・・・これも計算してたんですか・・・!?お、お誘いと取っちゃって良いモンなんですか・・・!!!???
 い、いえそんな俺はヤる気満々とかそういうのじゃなくて!
 だ、だから俺のカバンのポケットに今入ってる・・・その・・・・この前忍足先輩から貰った・・・えーっと・・・コ、コンドームも・・・・////ほんと、ヤる気があるとかじゃなくて!ま、万が一のことがあったら、ってだけのことで!何かあってからじゃ遅いですから!!!(言ってて恥ずかしい///)
 だ、だけどさんにそんなつもりがあるって言うなら・・・・


 いや、何考えてんだ俺はっ!!!!!


 「・・・・とりくん? ・・・・鳳くんってばっ!!」
 「え・・・?は、はい!すみませんでした!!」
 「どうしちゃったの・・・?なんかボーッとしてたみたいだけど・・・?気分でも悪い?」
 「そ、そんなんじゃないです・・・・!!ぜんぜん!!べ、別に変なことも考えてないです!!!」
 鳳少年は顔の前でぶんぶん両手を振ってそう答えた。
 「・・・・・変なこと??」
 「あ、いやいやこっちの話で・・・・」
 「鳳くんって前から思ってたけど面白いよねー。時々。」
 「ははは・・・・」
 もはや笑うしか無い鳳少年。

 「とにかく乗ろっか。時間が勿体ないしさ。」
 はとても楽しそうな笑顔でそう言った。
 「は、はい!!(落ち着け俺!)」

 普通はここで男がリードして女を連れて行くべきなのかもしれないが、生憎今の鳳少年は興奮の余りそんな余裕は無かった。
 もはや彼女に連れて行かれてる、という感じだ。



 「ちっ・・・鳳のヤツ、度胸なんかねーと思ってたんだがな・・・・」
 「跡部、妬いたらアカン。美しいカップルを見守るんが俺ら恋愛相談士の使命なんや。」
 「知るかよ!
っつーか俺は相談士じゃねぇ!
 「ほら、二人観覧車に乗り込んだで!カーテンに閉ざされた禁断の世界への扉を今二人は開けたんや・・・・」
 忍足少年はじーんと感動しながらしみじみと言った。
 「お前将来AVの実況でもしてろよ。今の仕事(恋愛相談士)より合ってるぜ。」
 その様子を見ていた跡部少年が冷たい淡々とした口調で言った。
 「な、何言うんや!俺は悩める少年達を救うための」
 「
樺地、少し黙らせろ。
 「ウス。」
 いたのか樺地少年。



 「ねぇねぇ。この観覧車、なんでカーテンなんか付いてるんだろー?」
 観覧車に乗り込んだ少女が、観覧車に付けられたカーテンをいじりながら言った。
 「(ギクッ!)さ、さぁーどうしてでしょうー?ほ、ほんと、今時のカップルは馬鹿なのが多いですよね!」
 鳳少年は焦りまくりの口調であたふたとそう答える。
 「カップル?」
 「(ハッ!馬鹿だ俺!)いやいや、そんな深い意味は無いですよ・・・!!」
 「・・・・・・??」
 「い、いや・・・ホント、何のためでしょうね・・・・」


 さんっ・・・!!!貴方の行動はどちらに取れば良いんですかっ!!!
 お誘いと取れば良いのですかっ!?俺の意識をカーテンに向けさせてそういう方向に持ち込ませようなんていう作戦ですか!?
 い、いやいや!さんはそんなこと考えてる人じゃないですしね・・・!
 た、ただの天然ですよね・・・!!??
 それにしたってもう少し考えてくださいよ・・・!これ以上俺を悩ませないでください!!!


 一人突っ走る鳳少年であるが、当然ながら少女には他意は無い。
 別に彼女はそういった作戦を立ててるワケでも、誘っているワケでも無い。



 「なぁ跡部〜あの二人もうヤったと思うか?」
 「フ、フン。鳳にんな度胸があるわけねーな。」
 跡部少年はわずかながら慌てた様子だ。
 「ほな、賭けよーか?二人がヤったかどうか。」
 「な・・・ッ!い、良いぜ!」
 強がるねぇ跡部少年よ・・・・
 「よっしゃ。じゃあ降りて来た時に鳳が男になっとったら、お前1万円払いぃ。」
 流石。金額も一般中学生とは違いますね忍足少年。
 「やってやらぁ。」


 こうして、15分が経過した。

 一周した鳳少年と少女が観覧車から降りてきた。


 「どうやったんやろ・・・!!」
 「フン。無理に決まってるぜ。」
 二人は少しばかり観覧車の降り場へと近付いて、鳳少年と少女の会話に耳をそばだてた。


 「さん、大丈夫ですか?」
 観覧車から降りようとしている彼女に鳳は手を差し出した。
 「う、うん。ありがと・・・!!」
 そう言って少女は鳳少年の手を握った。

 「わっ・・・・!」
 降りる時、危うくバランスを崩してしまった少女。
 「だ、大丈夫ですかっ!?」
 その彼女を素早く反応した鳳少年が抱くようにして助けたのだ。
 「ご、ごめん!
あたし観覧車降りる時っていっつもちょっと怖くて・・・////
 少し声を落として、少女が赤くなりながら言った。


 「ちょっ・・・ちゃんもしかしてフラフラなんとちゃう!?」
 「ばかやろっ・・・!んなワケあるかよっ!」
 「そう言うたって今の見たやろ!?」
 二人は鳳少年らの会話からまたヒントが無いかとさらに耳を大きくする。


 「さん、綺麗でしたね。(景色も貴方も。)」
 「うん・・・///怖かったけど楽しかったよー!(私高いとこあんまり好きじゃないんだった・・・///)」
 「(怖かった!?俺そんなに暴走してましたかっ!?)だ、大丈夫でしたか!?」
 「・・・え?何のコト?」
 「あ、いえ・・・それはっ・・・・(き、聞けないです・・・!!)」
 「平気だよvあたし鳳くんと一緒にいられればそれで良いもん。」
 「お、俺もですよ・・・・////」



 「あ、あの問題発言の数々・・・・間違いないわ!!鳳スゴイやん!初めてなのにちゃんと観覧車の終わる15分で終わらせてきよった!!」
 「ま、まだそうとは決まってねぇだろ!勝手に想像してんじゃねぇよ!!」
 信じられねぇ!とでも言いたげに跡部少年は鳳少年らの様子を目で追いながら言った。
 「跡部、往生際が悪いで・・・。負けは負けや。ちゃんと1万円払いぃ。」
 忍足少年は跡部少年の肩をポン、と叩きながら言った。
 「・・・・ちっ!!!フン。俺様にとっちゃこんなモンはした金だぜ!ま、お前ら庶民に恵んでやるぜ!」
 そう言って財布から取り出した1万円を忍足少年へと渡す跡部少年。
 手持ちですぐに万札が出てくる辺り、やはり金持ちは違うな。
 「おーきに♪」


 こうして、楽しい遊園地デートの時間は過ぎていくのである。


 楽しかった一日も、もう終わりを迎えようとしている。

 「ここで良いよ。有難うね。すごく楽しかったよ。・・・・またデートしたいなぁ////」
 そう言って真っ赤になっている少女が、鳳少年にとってはすごく愛しい存在に思えた。
 鳳少年は、思わず少女を抱き締めた。


 「な、なんや二人ええ感じやん・・・!?」
 「フン・・・・」
 ギャラリーも五月蝿くなる。


 「俺、さんが好きです。」
 「・・・うん。」
 「さんも、俺のこと好きですか?」
 「・・・・うん。」
 「・・・・キス、してもいいですか?」
 「・・・・うん////」


 (お、めっちゃええやん!よーやったで、鳳!そこでブチューっと!!)
 (な、あのヤロウ・・・!!)


 鳳少年は、少女に触れるだけのキスをした。
 優しくて、甘いキス。
 初めての、キス。

 「あ、あのさん・・・!今度一緒に写真撮りましょうよ・・・。本当は今日も記念に撮りたかったんですけど・・・なんか色々あって(考えることが)忘れちゃってたし・・・!」
 「うん、そだねvv」


 余りの初々しさに、見ていた忍足少年と跡部少年は唖然としてしまった。


 「せやけど今日観覧車で既に♂と♀の最終目標まで到達したのにわざわざこんなとこでキスしなくてもええやん。」
 「・・・・・・・」
 「跡部、お前もいい加減大人になりぃ。諦めぇや。お前じゃ無理やわ。」
 「黙れ!!」
 そんな二人の様子もなんとも見ていて微笑ましい光景なのである。



 後日、忍足少年と跡部少年が(色んな面で)鳳少年をからかい続けたことは、言うまでもないだろう・・・。
 またそこで妙に話の内容がかみあっていなかったのも、また別の話・・・・・

 END

 ごめんアキラちゃん・・・!!!暴走しすぎました!!!
 これも二人の合作なんですが。
 なんかどっちがどこを書いたか一発で分かりそうなくらい差が激しい・・・(笑)
 ほんとごめん。元の原稿とも結構変わっちゃったね・・・;
 なんか話が繋がらなかったもんだから少し手加えちゃいました;ごめんなさい!!

 そして好きなキャラってのはなんでこうも壊したくなるんでしょうね!!!

 っていうか最近の観覧車、カーテンついてるのがあるそうで・・・
 『みんなよくやるなぁ〜』という某友人Mちゃんとの会話から。

 そして相変わらず跡部は可哀想です。