Black-heart FESTIVAL
「あ、あの・・・観月くん・・・・!」
あ、誰か女の子が観月に近付いてる。ちっ、私の観月に・・・!(違)
「何か用でも?」
観月相変わらず冷たいねー。別にどうでも良いけどさー
「は、はい!明日のお祭り・・・
出来れば一緒に行ってくださらないかなーって・・・・」
あらまー、随分あがってるねー・・・
でも可哀想に・・・観月はそういうの絶対OKしないってば。
「嫌ですよ。貴方のような女性に興味はありません。」
観月はキッパリと答えた。
あまりに即答されたので彼女は返す言葉も無いようだった。
観月に声を掛けた彼女は今にも泣き出しそうな顔で
「そうですか」と一言言って観月から離れて走り去って行った。
「全く・・・・」
観月は鬱陶しいと言いたげにため息をついた。
先ほど観月をナンパ(違)していた女の子は
女友達のところへと走って行って何かを話していた。
その子の話を聞いたとたん、他の女生徒も顔がガクリと暗くなった。
恐らく観月に祭りの誘いを断られたことを話したのだろう。
ま、観月がOKしないことくらいちょっと考えりゃ分かると思うんだけど・・・
「観月〜☆いつもながらモテるね〜」
自分の席でため息をついて
不機嫌そうに座っている観月に私は後ろから笑いながら話し掛けた。
「ですか。いつもながら煩いですね。」
「結構可愛い子だったじゃん?OKしないの?」
「OKしてほしかったんですか?」
「何?私に嫉妬してほしいってこと?ぎゃはは・・!」
私は大笑いしながら言った。
「少し静かにしてください。頭が痛いです。」
「うんでもね観月、たまには遊んだ方が良いよ。」
「何が言いたいんですか?」
「明日青春町で夏祭りがあるんだよね。」
「それで?」
黒い。
「うわ怖いよ観月・・・あっはっは!
うんだからさ、たまにはそういうとこ行って遊ぶのも良いよってこと。」
「そうですか・・・・はどうするんですか?」
「私?私はエミと行くよ?」
「神楽エミさんですか?あの人は木更津と行くんじゃないんですか?」
「ん、木更津と私とエミと3人で行くの。
まぁ私は二人のラブラブっぷりを邪魔しないように行きますよー」
「それって中途半端な数じゃないですか?」
「要するに観月一緒に行きたいの?」
「馬鹿にしないでください。
あなた達3人で行かせたら
どんなトラブル起こすか分からないメンバーじゃないですか・・・
僕も一緒について行ってあげますから
ありがたく思ってください。」
「いや誰も頼んでないし・・・・・」
「明日行きますからね。」
「強引。っつーか自己中。」
観月と私は何故か割と仲が良いんです。
クラスが一緒ってだけで
何かのグループや班が一緒だってわけじゃありません。
部活も委員会も別々だし。私はサッカー部のエース。
だから結構男っぽいところも多いらしくて、
観月も私を女だと思って仲良くしてるわけじゃないらしいのです。
完全に男友達だと思ってるんだよあの接し方は・・・・
「というワケだから観月も来ることになった。」
次の日、祭りの待ち合わせ場所で私はエミと木更津に向かって言った。
「観月くんが来るの!?
(うっわー!普段スカートなんか滅多に履かないが
今日は浴衣着てるし!)」
「うん。」
「観月が祭りに参加するなんて珍しいね・・・・・
(ちゃんも浴衣結構似合ってるじゃない♪)」
「ほんと・・・あの性格のアイツがどういう風の吹き回しだか・・・・」
「ま、いいや。くすくすそういうことならさ・・・・」
そう言うと木更津はエミになにやら耳打ちをしていた。
エミもそれを聞くをニヤと笑った。二人して何を企んでいるのだ!?
「どうしたの?」
私が二人に聞いた。
「えっへっへ〜☆〜Vv私木更津と二人で行くことにするよvv」
エミがニヤニヤと笑いながら言った。
「はぁ!?ちょっと・・・3人・・あ、いや4人になっちゃったけど・・・
一緒に行くんじゃなかったの!?」
「くすくすだって観月が来るなら
ちゃんと観月も二人きりにさせてあげたいじゃない。」
「そうよ!私たちからの好意なんだから!」
「いやそんな好意ならいらないよ〜!!」
「「じゃーねー!!」」
それだけ言うと二人はタタタッと走って行ってしまった。
普段部活で鍛えてあるので足の速さには自信のあっただったが
いつもジーパンなど男っぽい服装ばっかりしているにとって
この浴衣は動きにくい。
「ちょっと待っ!!」
が追いかけようとた時には二人は遥か彼方に行っていた。
「エミー!きさらづー!」
「何一人で叫んでるんですか。」
「観月!?あんた遅いよー!」
「何言ってるんですか。僕は時間通りですよ。
んふっ僕のシナリオが遅れるわけないでしょう。」
確かに時計は約束の5時半ピッタリ。
よくもまぁこんな正確に来れるわね・・・
「だってぇ・・・木更津とエミがさぁ・・・・・」
私は先ほどの出来事を観月に話した。
「そうですか。別に二人になったから何だって言うんですか。」
「何って・・・・だって観月ぃー・・!!」
「気持ち悪い声出さないでください。さっさと出発しますよ。
僕が貴重な時間を裂いて折角来てあげてるんですから
時間を無駄にしないでください。」
観月は私の話を聞いても全く同様することもなく
いつもと何ら変わらぬ様子で言った。
「何であんたそんなに普通でいられるのよ・・・・」
「だってエミさんと木更津も二人で行っているんでしょう?」
観月が歩き出したので、私もそのペースに合わせて歩き出した。
「あの二人は付き合ってるから良いの!
大体あんた昨日祭りの誘い断ってんのに
私なんかといたら私睨まれるってば。」
「そんなこと僕の知ったこっちゃない。」
出たよ名ゼリフ。
「それよりその服どうにかなりませんか?」
「なっ、どういう意味よ!?」
「貴方が浴衣なんて・・・・似合わないも良いトコですよ。」
「し、失礼な!
折角お祭りだからなれない浴衣無理して来てきたのに!!」
「不器用なあなたがそんなもの着れるとはね・・・」
「酷酷酷!!観月酷いー!」
「真実を言ったまでです。」
私はちょっとふてくされたような顔だったが観月はおかまいなしだった。
まったく乙女心を何だと思ってるんじゃい!
「もうー!」
何分か二人で並んで歩いていた。
その間は適当にクラスのこととか、
センコーのグチとか適当に喋ってた。
って言っても喋ってたのほとんど私なんだけど・・
周りはわた飴、お面、うちわ、とうもろこし、焼きそば・・・etc・・・
お祭りの定番品の店が沢山並んでる。
「あ、ねぇねぇ観月!私あれ買いたい。」
そう言って私は一軒の店を指差した。
観月は「何ですか?」と言いながら私の指差した店を見た。
『りんごあめ』
屋台ののれんにはそう書かれていた。
「貴方中3にもなってあんな物食べるんですか?」
「い、良いじゃん!!好きなもんは好きなのよ!!」
「別にかまいませんけどね・・・・勝手に買って来てください。」
「言われなくても勝手に買ってくるよ!ちょっとそこで待っててね。」
それだけ言って私はりんご飴を買うために
お店の方へと走り出した。ところが。
ズテッ
慣れない浴衣で走ったもんだから浴衣の裾にひっかかって転んでしまった。
「いてて・・・・」
顔面から前に倒れた私は顔を抑えながら起き上がって言った。
「馬鹿ですかあなたは。」
そんなこと言ってる暇あったら助けてよ・・・・
「いったー・・・もう浴衣なんて着てる人の気が知れない。」
「がドジなだけです。全く仕方ないですね・・・・」
そう言うと観月は私を放ったらかしたままスタスタと歩き出してしまった。
っていうか周りの人たちも素通りしていかないでよ・・・・
酷い世の中になったよね・・・
「ちょっ、観月!待ってよ・・いたっ・・・・」
今転んだので足をくじいてしまったようだ。足がズキズキする。立てない。
「いったー・・観月・・待てってばっ・・・・・」
そう言い掛けた私の目に次の瞬間写ったのは信じられない光景だった。
何と観月は先の店で買ってきたと思われるりんご飴を
片手に持って私の前に立っている。
「さ、飴は買いましたから。さっさと行きますから立ってください。」
「観月買ってきてくれたの?」
私はその場に座ったままで観月を見上げるようにしながら言った。
「他に何か方法があるとでも?」
「だ、だって・・・・・」
「良いから早くしてください。」
「そんなこと言われても足くじいちゃって立てないんだってば〜!!」
「足を?それでもサッカー部エースですか?」
「この際サッカー部エースは関係ないもん!」
「本当に世話の焼ける人ですね・・・ほら。」
そう言って観月はりんご飴を持ってるのと反対の手を私に差し出してくれた。
私は普段とあまりに違って優しい観月に思わず自分の目を疑ってしまった。
「何してるんですか。早く!」
そうせかされたので私はビクリとして観月の手に捕まった。
「肩貸してあげますから取りあえず近くのベンチにでも行きましょう。」
そう言って観月は私を支えてくれながら
祭りの賑やかさから少しずれた静かなベンチへと連れて行ってくれた。
私はあまりに観月らしくない行動だったので
目が点になって、声も出なかった。
「ふぅ・・・・」
私をベンチに座らせると観月は思いっきり疲れたとでも言うように
ため息をついて自分もベンチに座った。
「あ、ありがと・・・観月・・・・・」
私は一応お礼は言っておくべきだと思って観月に言った。
「全くですよ。重いんですね、。」
ピキン。
何と失礼な!思春期の女の子に言って良い言葉じゃないわよそれ!!
「人が素直に謝ってるんだから
『どういたしまして』くらい言ってくれたって良いでしょーが!」
「ドウイタシマシテ」
超棒読みだし!
「でも観月・・・ほんとごめん・・・・迷惑だったよね・・・今日の私・・・・」
「あなたの口からそんな素直な言葉が聞けるとは思ってませんでした。
やっと自分のことに気付いてきたようですね。
も大人になったじゃないですか。」
「(なんでコイツは人の好意を素直に受け取れないのかなー・・?#)
でもほんと、私なんかと一緒で、観月お祭り台無しにしちゃって・・・
私が慣れない浴衣なんか着てきたもんだから。」
そう言ったら観月は驚いた様子で私を見てきた。
「、そんなこと気にしてたんですか・・・・?」
「だ、だって・・・!」
「良いんですよそんなこと。
僕はと来たくて一緒にこの祭りに来たんですから。」
「え・・・?」
「聞いてなかったんですか?頭だけじゃなく耳まで悪くなったんですかね・・・・
僕はと一緒に祭りに来たかったと言ったのです。好きですからね。」
「・・・・・・・・」
「何ですかその表情は。」
「だって観月、私のこと男としか扱ってないでしょ。」
「えぇ、まぁそんな感じです。」
「酷い!そんなハッキリ言わなくてもー!
観月はいっつもそういうこと言うしさー!」
「あなたって人はつくづく鈍いですね・・・・・」
「何がよ!」
「さ、もう帰りましょうか。家まで送ります。」
「人の話を聞けよコラ!」
私の言葉なんか完璧無視で観月はベンチから立ち上がった。
「あ、そうそう。」
ふと思い出したように観月はそう言うと、私の方を向いてさらに続けた。
「浴衣、とてもよく似合ってます。可愛いですよ。」
怜夢さまへ捧ぐキリ番の黒観月ドリーム・・・
そしてお祭りネタで書きました。
いぶき今年ははしかで近所であったお祭り行けなかったんだもん・・・・(泣)
ところでこのドリーム書いた時に、
背景にりんご飴の写真でも使いたいなーとか思い、
色々と写真サイトさん探してみたのですが見つかりませんでした・・・・
それに管理人もそうそう暇じゃないのでそんなに沢山は探せなくて・・・・
誰か知ってたら教えてください・・・・(苦笑)
|