星のきずな

「うわ〜今日も遅くなっちゃった〜・・・」

そう言って辞書を片手に夜道を走るのは平凡な中学生、小山田まん太くん。
塾帰りで、既に10時半を回った時計を見ながら家への道をまっすぐ走っていく。

「あ〜ぁ・・・毎日毎日塾で嫌になるよな〜・・・」
はぁとため息を一つ付きながら下を向いて走っていたその時。



ドサドサッ


「いたた・・・・」
誰かとぶつかってしまった。


「すみません・・・・」

まん太は落とした辞書をカバンを拾い、ぶつかった頭を摩りながら言った。


「ううん。私の方こそごめんね・・・・」
そう言いながら彼女も落としてしまった荷物を拾っているようだった。

「小山田?」
荷物を拾い上げるとふとまん太の方を見たその少女が言った。

「え?」
「隣のクラスの小山田まん太じゃなかったっけ?」
「え?あ、はい・・そうですけど・・・君は・・・・・あっ隣のさんだ!!」

「あ、知っててくれたんだ♪」

そう言うと彼女はにこにこと笑っていた。

「こんな時間になんでこんなとこ歩いてたの?」
「小山田こそ何してたのよ?」
「僕は塾帰りだけどさ。」
「あ、そっか!私も塾帰り!」
「えぇっ!?」

まん太は何とも意外だった。
は確かに成績はそこそこあったが、
活発で、明るくて昼間はよく友達と遊びまわってるのを見かけたことがある。

その彼女がこんな夜遅くまで勉強していたなんて・・・・・


さんも塾行ってたんだねー・・・・」
「えぇ?何それー!それじゃまるで私が全然勉強してないみたいじゃん!」
は笑いながら言った。

「うん〜だっていつも活発的に動き回ってるのに
 それなりの成績取れるなんてすごいな〜って思ってたもん。」
「あっはっは。私だって勉強の少しくらいしてるのよ。」
「へぇ・・・・・」


こんな時間に外を塾帰りで走ってるのなんて自分くらいのもんかと思ってたまん太だったが、
なんか同士に会えたようでとても嬉しくなってきた。

そのせいか、まん太の顔は、さっきの急いでいた慌てた表情から一転して、
にこにことした楽しげな表情だった。



「それにしてもこんな時間まで勉強なんてすごいよね〜」
さんもなのに。」

まん太が苦笑しながら言う。

その時、ふちまん太の中に思いつきが浮かんだ。
折角こんなとこで同じ学校の女子に会えたのだから、
このチャンスを逃したくない、、、一緒に・・・話したい・・・・・・


「あ、あのさ。さんって星とか好きかなーって・・・・・」
「え、星?う〜ん好きだけど東京じゃちょっとねー・・・」
「僕、星がすごく綺麗に見える場所知ってるんだ!もし良かったら一緒に行かない?」

まん太はにこにこと笑いながらを誘ってみた。


「え、本当に!?楽しそう!少しだけなら・・・行ってみようかな・・・・」
「うん!こっちだよ!!」
まん太はますます嬉しくなってあの墓場の方へとを連れて行った。


もまん太の後について行った。
まるでカップルのようだ・・・あぁ、青春だねぇ・・・・・・Vv(何)



「あの、小山田・・・?ここって・・・・・」
「あ、うん。墓場だけど・・・・でも本当に星は綺麗なんだよ。」

怯えるに必死にフォローするまん太。



「うわぁ・・・・・」
墓場の階段を上がり終わると空を見上げたが声を挙げた。

「ね、綺麗でしょ!」
まん太が嬉しそうにを見上げて言った。

「うん、本当に綺麗!こんなに星が見えるところが東京にもあったんだね!」
「だよね。僕も最初見た時びっくりしたよ。」
はとても嬉しそうに空を眺めていた。

「あ、あっちの方で座って見ようよ。」
そう言ってまん太はを墓場の中へと連れて行った。

「墓場ってのはちょっと気味悪いけど、きれ・・・・」


がそういい掛けた瞬間、


『よう、小僧。そいつ、見かけない顔してんな?』
『あら本当v新入りさん?』



「あ、みんな。」
幽霊達がが出てきたのだ。

「キャッ!!!」
は突然の出来事にその場で後ろに倒れた。

「な、何なの・・・この人たち・・・!?」
「え・・・!さん、みんなが見えるの?」
「み、見えるって・・・・・?」
「この人たちはみんな幽霊だよ。」

まん太がにこにこと笑いながら言った。

「ゆ、幽霊・・・・?」

は目を丸くして墓場の連中の顔を順番に見て行った。


「う、嘘・・・幽霊なんてものがこの世にあるなんて・・・・」

「あはは。僕も最初はそう思ってたよ。
 安心しなよ。皆悪戯したりはしない、すごく良いヤツらだからさ。」

まん太がにっこりと笑ったので、はそれを信用して恐々立ち上がった。



「星、本当に綺麗・・・・・」


しばらく一緒に座って星を眺めていると、が言った。


「うん・・・・・」
まん太も空を見上げたまま答える。

「そういえばさ、さんもさっき幽霊が見えたじゃん?」
「う、うん・・・・まだ信じられないけど。」
「僕のクラスの麻倉葉くんって子が言ってたんだ。
 『霊の見えるヤツに悪いヤツはいない』ってさ。だからさんも良い人なんだなって。」
「へぇ・・・・」

がその言葉を信用しているかどうかは分からないが、
その時まん太に向けた瞳はどことなく優しさを帯びていた。

「でも私幽霊が見えたのって初めてだよ。なんか嬉しい。」
相変わらずにこにこと笑いながら言った。

「あはは・・・僕は初めて見た時は結構衝撃あったけどなー?」
「私、怪談話とか好きだから。」
「そっか。」



ほんの短い時間話しただけだったけど
すごく楽しかった。


そしてもっと彼女のことが知りたいと思った。



さんっていつも塾であの道通るんだよね?」
「ん?そうだよ。」


「じゃあさ、また会えるかなぁ・・・?また一緒に星も見れるかなー?・・・なんて・・・・・」

「クスッそうね。」


今の笑いは別に黒くないです。(何)





うみゅ〜(汗)締めくくりがイマイチ;;
どうも最近ギャグが冴えないんです、私!(意味不明)
えっと・・・独楽さんへのキリ番ドリームです!
いやコレはシリアスなほのぼのにしようと思ってたから別に良いんですけど・・・
それにしてもまん太とお友達になったらテスト前とか楽そうですよね。