口移しの風邪移し

「な、なぜそれをもっと早く言ってくれないのですか、姉さん!!」


道蓮は大声で叫んだ。

「え・・・だ、だって蓮はもうてっきり知ってるものだと・・・・」
「そんなこと聞かされてませんよ!!」
「じゃ、じゃあお見舞い行ってきたらどうかしら・・・?」

姉の潤は蓮の勢いに押され苦笑を浮かべながら言った。



そう、話の元は数分前潤が何気なく口にした言葉


「あら蓮、こんなところに居て良いの?」
くすっと微笑しながら言った。

「何がですか、姉さん。」
「何がって・・ちゃんのことよ。」
がどうかしたんですか?」
「え・・・ちゃん、今朝熱出したって・・・聞いてないの?」

「何だと!!?」



が熱を出したなどと知っていたらオレはとっくに見舞いに行ってますよ!
 今からの部屋へ行ってきます。」
そう言うと蓮はその部屋を出て階段を上がり、の部屋へと向かった。



「う〜ん・・・今朝からちゃんずっと出てきてなかったんだから
 気付いてると思ってたんだけどな〜・・・・」
潤が蓮の後姿を見送りながら呟いた。



というのは道家に仕える人間の一人で、主には蓮のお世話係。


(たしかに今朝はを全く見かけなかった・・・
 でもそれはただ忙しいだけだと思っていたのに・・・
 第一『はどうした?』とでも聞けば親父たちに何を言われるか分からん・・・・)
まったく蓮らしい理由です。




っ!!」


の部屋の扉を勢いよく開けて叫んだ。

「れ、れんさまっ・・・!?」
は突然バタンという大きな音を立てて扉が開いたので驚いて
一瞬布団の中へともぐりこんだ。

!熱を出したのなら何故オレに言わんのだ!!」

後ろ手で扉を閉めると、蓮はの寝ているベッドに近付きながら言った。

「だ、だって蓮さまにご迷惑をおかけしては・・・・・」
「何を言っている。むしろオレはお前がオレに何も言わん方が迷惑だ。」
のベッドの隣に座り込んで蓮が言った。


「具合はどうなのだ?薬は飲んだのか?」
やたらの世話をやこうとする蓮

「大したことはありませんよ。ただの風邪ですから。・・・ゴホッ・・・・」
そう言っては蓮に微笑みかけた。

「ん?この薬、封が切られてないではないか。」
蓮はすぐ側に置いてあった薬瓶を見つけて手に取って言った。
「え、、えぇ、まぁ・・・・・」

「まぁじゃないだろう!薬くらい飲めるだろう!!」

「いえ・・・その薬・・・苦いし・・・・・・」

熱の所為で元々赤かった顔がますます赤くなった。


「(可愛いには可愛いが・・・)馬鹿か貴様は!何をガキみたいなことを言っているのだ!!」
「だ、だってほんとにそれ美味しくないんですよ〜」
そう言っては甘えるような声を出した。

「何を言っている。今すぐ飲め。」
そういうと蓮はコップ一杯分の水を用意してきて、薬の封を開けた。

「い、良いですってば・・・!そんな蓮さまに手間をおかけするわけには・・・・」
「駄目だ。貴様が動けなくなると道家は皆迷惑するのだぞ。」
「は、はぁ・・・・・」
「さっさと飲め。」
そう言って薬と水を差し出した。


「で、でも・・・・・」
はやっぱり苦いからと言う顔をして蓮から目を逸らした。



「馬鹿なヤツだ。だったら無理にでも飲ませる。」

「え・・・?」


どういうことだろうとは必死に頭の中で考えた。

すると蓮は手に持っていた薬と水を自分の口へと含んだ。
そしてそのままの唇へ自分の唇を重ねへの口内へ薬を流しいれる。


「んぁっ・・・・」
それと同時に蓮は自分の舌もの口内へと侵入させ、その中の感触を味わった。




「飲めただろう。」

ほのかに頬を染めた蓮が言った。


蓮の勢いに思わず薬を飲んでしまった
真っ赤になりながら口元を抑えてコクンと一回だけ頷いた。
熱がどんどん上昇している気がしてならなかった。

「それほど苦くはなかっただろう?」

「う、うん・・・」


薬の苦い味と蓮の唇の甘い味。その二つが交じり合ったようだった。


「れ、れんさま・・・・でもこんなことしたられんさまにもお風邪が移ったりしたら・・・・」
「さまは付けなくて良い。オレもと呼んでいるからな。」
「で、でも私は道家にお仕えする身です・・・」
「オレの言うことが聞けんのか?」
そう言うと蓮は今度はベッドの上にいるに覆い被さるようにしてまた強引に口付けた。

「んぅ・・・・・」



「オレが良いと言っているのだ。蓮と呼べ。むしろ命令だ。」

「わ、分かったよ・・・蓮・・・・・」

初めて呼び捨てで呼ばれた蓮は今まで抑えていたものが
一気にこみ上げてくるような気がした。

、好きだ・・・・・」
「わ、わたし・・・も・・・・・」

がそう言うか言わないかのうちに蓮はの首筋に優しく口付ける。
ちゅっという音を立てて軽く吸い上げて赤いアトを散らす。

「れ、蓮・・・おじさま達に見られたら・・・」
「心配はない。お前はオレのことだけ気にしていれば良い・・・・」

そう言うと蓮はまたの唇に口付け、今度は軽く噛み締めてみる。
が甘い痛みに目をギュッと瞑ったのが分かった。
唇は離さないまま、蓮はパジャマの中へ手を潜り込ませての胸を刺激した。

冷たい蓮の手が、熱で体温の上がったの体に触れる。
冷たくて、は少し身じろいだ。
蓮が胸への刺激を続けるたびにの腰は敏感に反応した。


「・・ひゅぁっ・・・れ、れん・・・・これ以上近付いてたら本当に風邪、移っちゃ・・・・」
「そうなったならそうなったで良い。」

短く言うと、蓮はの上半身を脱がそうとパジャマに手をかけた。




だが、行為はそこで一時中断しなければならなかった。



ちゃーん。風邪なら暖かい物食べた方が良いと思って・・・・」

そう言いながらの部屋の扉へと接近してくるのがわかった。

「姉さん!」「潤さま・・!」

二人が同時に言った。


「れ、れん・・・離れて・・・・!!」

ハッとした蓮が慌ててベッドから降りて
先ほどまで腰掛けていたベッドの横の椅子にもう一度腰をおろした。
は乱れかけていた着衣を戻してベッドに再び潜り込んだ。


「スープ、持って来たわよv飲むかしら?」
ガチャンという音と共に潤が部屋へと入ってきた。



間一髪。



二人は顔を真っ赤にして目線をそらしながらその部屋にいた。
「あら蓮、まだいたの?」
そう言うと邪魔しちゃってごめんね。と小さく蓮の耳元で囁いた。

「そ、そんなことは・・・・!」
蓮も顔をますます真っ赤にして言った。

「スープ、飲んでね。それじゃ。」
それだけ言うと潤はすぐに部屋を出て行った。
何もバレずに済んだ二人はホッと胸をなでおろした。


、続きはまたいつかな。」
「えぇぇっ・・・う、うん・・・・・」

も小さく頷いた。



ちなみに、次の日、が熱が下がったので朝蓮を起こそうと部屋にいくと
そこに熱を出した蓮が寝ていたことは、また別の話・・・・・・


END


あんまエロくなし。可愛めに。
ちなみに表はまだまだ×1000修行が足りません・・・(謎)
それにしても蓮じゃない、こんなの蓮じゃないよ・・・・・
っていうか蓮×潤割と好きなので何気に潤姉さん登場多め・・・・vv(最初と最後だけですが)