クリスマスプレゼント 後編

の朝会での提案から数日が過ぎた。
テニス部員はいつもの万倍とも言える練習への打ち込みっぷりで、
グングンと能力を上げて行った。


そしてついに、運命の12月24日が迫ってきた。
そう、これまでの苦労の結晶・・・その結果発表の日なのだ。


結果発表日の前日、は生徒会室で先生達と話をしていた。

「そ、それは本気なのかねくん・・・?」
「えぇ。だって先生方はそうは思わないのですか?」
「い、いや・・・確かにその通りだと思うよ・・・・」
「なら良いじゃないですか。これで決定ですね。
 この結果を明日皆さんに朝会にてまたお知らせしようと思うのですが、何かご意見は?」
「いや、特にないよ・・・・・」
「そうですか。ならこれで決定ですねv
 あ、それから私が皆さんに報告すると、
 何かひいき目みたいなモノを感じられてしまうかもしれませんね・・・
 だから明日は先生が皆さんにお知らせしてあげてください。」
「わ、分かった・・・・」
教師の一人は心無い返事で答えた。

対するは、『それでは』と満面の笑顔で言いながら、楽しそうに部屋を出て行った。


一体、結果はどうなったのだろうか。

勝者は誰なのだろうか・・・・・・





「では、これから生徒会のさんからお話があるそうです。」
翌日の朝会で司会の生徒がそう言った。

テニス部員は全員息を呑んだ。
皆我こそは、と思っているのだ。


そんな彼らの心情を知っているのか知らないのかは分からないが、
は軽い足取りで指令台の上へと上った。

そこで軽く一礼する。
長い栗色の髪がふわっとなびいて、その姿はとても綺麗だった。

「皆さんおはようございます。
 先日私が提案しました企画のことは、当然覚えていらっしゃいますね?
 皆さん分かっているとは思いますが、今日はその結果発表の日です。」


ゴクリ・・・・
跡部らは緊張で胸がいっぱいだった。


「私から直接結果を・・・申し上げたいところなのですが、
 何かとひいき目を感じられてしまっては困ります。
 そこで、発表は先生にしていただこうと思います。先生、お願いしますねv」
彼女はそう言ってニコリ笑うと、そばにいた一人の教師にマイクを手渡した。

その教師はゴホンと一つ咳払いをして話し始めた。

「あーでは今から例の企画の発表をする。」


ドクドク・・・・


「まず始めに言っておこう。
 今年はテニス部の部員は皆非常に頑張ったと思う。
 そしてこの数週間の間で信じられないほど力を付けた。
 ハッキリ言って、全員、部に大きな影響を与えたと言ってもおかしくない。
 だがこれは企画だ。白黒はハッキリさせねばな。」


テニス部員は全員コブシを握り締める。

(フフン。優勝は部長の俺様に決まってるんだよ)
(やっぱ俺だよな。ムーンソルトも決まってたし。)
(やっぱここは冷静な判断で岳人をサポートし続けた俺やろ。)
を跡部たちなんかに渡してたまるかっ!)
(あーの声可愛いー・・・気持ちいー・・眠くなってきた・・・)
(先輩たちじゃ駄目ッスよね。やっぱ気が利いてさんにいつも尽くした俺でないと)


「今回の企画で全員が頑張ったことは事実だ。」

まだ前置きは続くのだろうか。

「だが、元を辿ってみよう。部員たちがこれだけ頑張れたのは一体なぜだ?」

何を言い出すんだ?

「元はがこのような提案をしたから、部員の練習意欲が上がったのだ。
 と、いうわけで、今回の企画の中、もっとも部活に良い影響を与えたのは・・
 ・・くん・・・・こう考えられる。」


は????


部員は一瞬唖然とする。
なにやら今妙な言葉を聞いた気がしたのだ。


「と、いうワケだ。今回の企画の優勝者はくん」






しばらくの沈黙が流れた。


パチッ


パチッ


所々で拍手が起こる。
その拍手につられて、全校に拍手が喝采した。

テニス部員を除いた生徒たちは。


「「「「「「・・・・・・」」」」」」


テニス部員はどうすれば良いか分からなかった。

「まさかのヤツ、始めからこのつもりで・・・・・」
「流石生徒会長やな・・・一本取られたわ・・・」
「くそくそめっ!」
「あー・・残念・・・・・ぐがー・・・・」
・・・・(安心して良いのか悲しめば良いのか複雑)」
「納得出来ませんよ、ねぇ樺地さん。」
「・・・・・・・・ウス・・・・(ノーコメント)」


そんな部員の心情をおそらく知ってだろうとは思うが、
は再びマイクを握るととても弾んだ声で話した。

「皆さん、ありがとうございますvv
 部員の皆さんも、本当によく頑張ってくださいました。
 私の思った通りの成果が出て嬉しい限りです。
 また来年も、是非私の意志を次いでこの企画を続けてくれる生徒がいることを願っています!」

誰がやるか!
というのは言わないでおいてあげましょう、さんのためにも。



と、いうワケで今年はのなんとも計画的とも言える企画のお陰で、
氷帝学園テニス部のレベルは格段に上がったと見える。
きっと来年は青学にも負けないことでしょう。


((((((絶対ぇ無理矢理にでもからプレゼント貰ってやるぜ))))))

皆さん、メリークリスマス!!

終わり方が超微妙ですが気にしないでください・・・・
ってかコレは中編飛ばしても話分かりますね。(笑)
いえ、でもいきなり結果発表ってのもなんか味気ない気がしてしまって・・・
あと榊さんにも喋らせたかったので。

こういうヒロイン、なんとなく好きです・・・・・