【波乱のSt.Christmas】
パシュッ
妙な効果音と共にまたしても何かが裕太の隣を擦り抜ける。
今度はフォーク一本じゃない。
ケーキ用の包丁やら何やらが5・6本、かすめていったように思える。
グサグサグサッ
またしてもその凶器は壁に刺さった。
「何やってんですか木更津。コントロールの無い人ですね。」
「観月だって似たようなものじゃない。
ちっ、それにしても惜しかったよね。」
「(お前らそれは犯罪だろう・・・・!!)」
一方の裕太は、寿命が5年は縮んだであろう顔でその場に立ち尽くしていた。
は『大丈夫ですか?』と話し掛けるが、もはや裕太は放心状態。
「しょうがないよね・・・じゃあ僕が直接さん誘っちゃおっと。」
「貴方なんかが相手にされるはずありませんよ。」
とか何とか言いながらに近付いて手を取る木更津淳少年。
「さん、今日のドレス、綺麗だよねv
この部屋の飾りつけも綺麗だけどさんはもっと綺麗vv」
「一体いつの時代のナンパのセリフですか、木更津くん。」
は裕太との手を引き離されたので、
少々不機嫌そうにキッパリと言い放つ。
「良いじゃないv折角のクリスマスなんだし中学生の境界線を・・・・・・」
ドカッ
彼の頭に勢いよく落下してきたのは飾りつけに用意されていたベル。
重さは約20kgはありそうだ。
「すみません木更津。これを運ぼうとしていたら手が滑ってしまいまして。」
「観月さん。もし飾りつけを壊したら、テニス部の部費からその料金ひかせてもらいますからね。」
「んふっテニス部の部費で貴方との愛が築けるのなら安いものですよ。」
の折角の毒舌も観月には見事に交わされてしまう。
しかし、そこで折れるほど彼女もヤワじゃない。
「じゃあこれから生徒会はテニス部に部費は一切出しませんよ。
丁度今年は見事に関東大会へも行けずに負けてくれたことですし。」
「それならそこら辺に余ってる部員からお金を集めるだけですよ。
嗚呼、これで貴方と僕は結ばれるのですね・・・・!!」
「観月さん、学校の品位を損ねる行為だけはやめてくださいね。」
「(俺、今のうちに逃げようかな・・・・)」
裕太、心の呟き。
と、二人が愛を語り合う(違)中、
先ほどの衝撃から早くも立ち直った木更津は新たな計画を立てていた。
「さぁ赤澤、レッツゴー。」
微妙な英語交じりはクリスマスの影響だろうか・・・・
「お、俺がやるのか・・・・・」
「ホラ、早く。」
木更津の指示に逆らえるはずもなく、赤澤は彼に従った。
赤澤は手に持っていたハサミで横に合ったクリスマスツリーの根元を切り倒した。
普通の一般人には到底出来る行為ではないのだが、
何しろ彼もテニス部部長、腕力ならお手の物・・・・
ではなくてっ!普通の常識人ならこんなことはしないだろう。
折角クリスマスのために飾り付けられたツリーを切り倒すなんて。
そして切り倒されたツリーは見事に観月の上へと倒れこむ。
観月はじめ、ツリーの下敷きとなる。
「木更津さんまで・・・・来年のテニス部の部費は3万円減らしますからね。」
「くすくす・・・そこら辺は観月の写真でも売れば一発だね。」
「誰がそんな趣味の悪い写真買うんですか。
それでしたら貴方が自分の体でも売ってきた方が得策というものだと思いますが。
ああでもその辺りは観月さんの体でも似たようなものですかね。」
果たして生徒会長の言って良いセリフだろうか・・・・
いや、おそらく否・・・絶対に否!
「(俺、やっぱ逃げようかな・・・・)」
まだいたのか裕太少年よ。
「(俺、帰りてぇ・・・)」
赤澤、お前も大変だな。同情するぜ。
「それよりさんvv折角だから一緒に・・・・」
「人の恋路の邪魔して何言ってるんですか。」
木更津の話を途中で中断させてまた最初の頃のニッコリとした笑顔になってが言った。
そして木更津はその笑顔の不思議な力により再起不能となってしまうのである。
その力が一体何だったのか、誰も知るものはいない。
「さぁ裕太くんvとんだ邪魔者が入りましたねv」
「(やっぱ俺なんスか・・・!!)」
「(俺ってなんでこういうキャラなんだろうな・・・畜生・・・・)」
赤澤くんも可哀想に。
でも彼の株価は観月と木更津に比べれば高いですよ、きっと。
今日はの邪魔をしたわけではなかったですからね。
「あーぁ・・折角裕太くんと二人でクリスマスを過ごすために提案したのに!
観月はじめーーー木更津淳ーーー私のクリスマスを返しなさーーい。」
そう一声叫ぶと、彼女はふぅと一息ついて赤澤に歩み寄った。
「赤澤さん、今度から部員の面倒はちゃんと見てくださいね。
我が校の評判を落とすようなことがあった時には、貴方即刻クビですよ。」
「(何で俺が・・・!!)は、はい・・・・・」
「それから・・・先ほどからずっと言おう言おうと思っていたのですが・・・・・」
そういい始めるとは赤澤の肩に手を伸ばし始めた。
その思いがけない行動に赤澤は勿論のこと、あの裕太も一瞬目を見開く。
「(な、なんだ・・・!!?どうしたんだは・・・・・???
こ、これってかなり美味しいシチュエーションだよな・・・?
こ、こういう場合どうすれば良いんだ!?やはり抱き締めてやるべきかっ!?
って・・・・何考えてんだ俺は!!!/////)」
セルフつっこみ赤澤さん。
「その服、似合いません・・・・・」
彼女は赤澤の服の肩の辺りをそっと掴んで言った。
「は、はぁ?」
あまりに妙な期待をもちすぎた赤澤は一瞬唖然。
「いえ・・・貴方の肌の色からすると、その服はあまりよろしくないかと・・・
薔薇の服でこのパーティに参加した誰かよりはマシなのですが・・・
自分の地肌の色なども考慮して服を買われることをオススメしますよ。
やはり服のセンスも学校の品位がかかわってきますし・・・・・」
そう言っては赤澤の服装をまじまじとチェックする。
「(お、俺は観月と比べられるほどなのか・・・!?/泣)」
「(先輩、キツ・・・・・)」
赤澤、精神的に再起不能。
それだけ言い残すとはまたスタスタと裕太のところへ戻って行った。
「さぁ裕太くん、夜はこれからですよv」
「(ゾゾーッ)・・・・・・・・」
今宵も聖なる夜に乾杯・・・・・
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▼礼拝堂で懺悔中
クリスマス企画の『聖なる夜は聖ルドルフと!』に出品したモノです。
というかこんなモノを押し付けてしまって・・・何やってんでしょうね、あたし・・・(汗)
最近氷帝ばっか書いてたのでルド書けるか心配でしたが・・・・
見事にヒロインは(私好みに)黒いですね。(笑)全く私の中にマトモな話は無いんですかね・・・;
もう意味不明です・・・;そしてこれは逆ハーと呼べるのだろうか・・・
もう滅茶苦茶ですね・・・一見すると観月と木更津びいきに見えるのですが、
これ書いた本人は裕太ラヴなつもりで書いてたんですけどね。(何)
裕太、かわええもんなぁ・・・
途中ネタに困窮して話無理矢理取り繕ってるのがバレバレですな。(爆)
まぁあんまり細かいとこは突っ込まないでといてください。
何はともあれ、皆さんMerry Christmas!!