必ず俺様に酔わせてやるぜ・・・・
恋の駆け引き 第3話
「何コレ・・・・?」
朝学校へ来て自分の席に着くなり、は不思議そうに自分の机を眺めた。
「どうしたの、?」
レナは私の様子に気付くとすぐに近寄って声を掛けてくれた。
「ん・・・なんか妙な紙切れが机の上にあって・・・・」
そう言うとは机の上においてあった2枚の紙切れを拾い上げた。
「あれ?それってテニス部の入部届じゃない?」
そう、紙切れのうち1枚はテニス部の入部届のようだ。
しかも「サイン・印鑑」の部分以外はすべて記入済みである。
更に、「備考」の欄には『マネージャー希望』と書かれていた。
「何なのよこれ・・・・・」
「ねぇ、もう一つの紙は何なの?」
入部届を見て呆気に取られる私を見て、レナはもう一枚の紙切れを指差して言った。
「んー・・・なんか伝言みたい・・・」
そこには走り書きしたような字でこう書かれていた。
『その入部届にサインしたら今日中に榊監督に出しとけ。
もし出さなかったら命は無いと思いやがれ。』
「これって跡部くんよねぇ・・・・?」
レナが苦笑を浮かべながら言った。
「そうみたい・・・・」
「で、どうすんの?」
そのメモ書きとにらめっこする私にレナは聞いた。
「どうするって・・・・捨てる。」
「あんた、命がほしくないのっ!!?」
「いやそう言われても入りたくないモノは入りたくないし・・・・」
「けどさ、は別に跡部くんのこと嫌いじゃないのよね?」
「う・・・まぁね・・・・・」
とまぁ二人の会話。
それを陰から見つめる目が4つ。
「おいゆーしっ!ちゃん、もしかしてマネージャーなっちまったりしないだろうな!?」
「さ、さぁなぁ・・・大丈夫やと思てたんやけど・・・・」
扉の陰からコソコソと話している。
「ちゃん、跡部のこと嫌いじゃないみたいだしよ!」
「せやなぁ・・・・」
「しょーがねーな!ゆーしっ!邪魔してやるぞっ!!!」
「な、何する気や、岳人・・・・!!?」
張り切る向日にちょっと引き気味の忍足。
「要するに、あの紙を提出出来なくすればいんだろ!」
「ん、まぁそうやな・・・・」
「よしっ!!ゆーし!良いコト思いついたぜ!」
「な、なんや・・・?(嫌な予感やなぁ・・・・)」
「良いか・・・・?」
そう言って向日はなにやら忍足に耳打ちを始めた。
「そんなコトくらいで大丈夫やろか・・・・
っつーか俺の役割酷くないか?」
「何言ってんだよ!これ以上の方法があるかっつーの!」
向日の計画を聞いた忍足は呆れ顔で言った。
が、向日はその計画は最高のモノだと思っているようだ。(笑)
「じゃ、ゆーしっ!言った通り頼むぜ!!!俺も準備してくっから!」
それだけ言うと向日は忍足をその場に残して自分の教室の方へと走って行った。
忍足はその場でため息を一つつくと、
そのままの教室へ、そしての元へと歩いて行った。
「なぁちゃん。」
自分の席に座って先ほどの入部届とにらめっこしていたに忍足が声を掛ける。
「あ、忍足くん。どうしたの?」
はその入部届を握ったまま振り返った。
しかし、この用紙を持ったまま、というのは忍足には非常に都合が良い。
「俺ちょっとちゃんと話したいことがあるんやけど、今から少し時間ええか?」
「え?うん。良いけど・・・・・」
がそう言って立ち上がろうとする瞬間、
そう、このタイミングがなんとも絶妙だったかもしれない。
「ところで、さっきから持ってるその紙何や?」
まるでさも『今見つけました』とでも言うかのように忍足が問い掛けた。
なんとも素晴らしい演技力・そしてタイミング!
「え、コレ?なんか朝来たら置いてあって・・・・・」
は席から立ち上がりながらその紙を忍足に見せる。
「マジで?ちょっと見せてーな。」
そう言って忍足はその用紙をから受け取った。
すべては彼らの作戦通りなのだ。
忍足はその用紙を握ったままを連れて廊下へと出て行った。
「なんや、これテニス部の入部届やん?しかもマネージャー?」
「そうなの!なんでこんなモノが朝机の上に・?って感じじゃない?
しかもサインの欄以外全部書いてあるんだよ!多分跡部くんだとは思うんだけど・・・・」
「跡部も気色悪いことするなぁ・・・・ちゃんも気をつけや。変な虫がつかへんようにな。」
お前らがが変な虫だよ。
というツッコミはこの際置いておくことにする。
二人が廊下に出ると、これまた見計らったかのようにコチラへ走ってくる少年がいた。
オカッパ頭の少年がぴょんぴょんと飛び跳ねながらコチラへ向かってくるのだ。
そして
「うわっゆーしーっ!!!邪魔邪魔っ!!!!って・・・・うわ!!!」
オカッパ少年はわざとらしく忍足に衝突してきた。
そして
びしゃーん
水があたりに散らばった。
そう、オカッパ少年、向日のもっていた花瓶。
それが忍足と衝突した時に水がぶちゃけてしまったのだ。
「岳人、何すんねん・・・・」
当然ながら水びたしになってしまった忍足が向日に言った。
そして彼が水浸しということは当然ながら彼の持っていた紙切れも・・・である。
「ゆーしが悪いんだろ!っていうか大丈夫?」
忍足は無視とでも言おうか、
向日は横で唖然と二人のやりとりを見ていたに聞いた。
「え、うん・・・私は大丈夫だけど・・・・それより忍足くんが・・・・」
「そっかー!が無事なら良いんだぜ!
あ、ゆーし、そのびしょぬれになった紙切れ、俺が捨ててきてやるよ!
こぼしたの俺だけどそれで勘弁しろよな!」
「どういうこっちゃねん!」
思わずつっこむ忍足くん。
しかしそんな彼の声は全く無視で向日は忍足の持っていた紙切れを強引に奪った。
そしてそれを持ってそのまま自分の教室へと走って行こうとした。
「え、あの、向日くん!それあたしの・・・・」
「えー何?これの?なんか要るものなのー?」
少し離れたところからそう叫ぶ向日。
しかしこんな会話の仕方ではなかなか『要るもの』とは答えられるものではないだろう。
「いや・・・別に要るもの、ってワケでは・・・・・」
場の状況的に思わず否定してしまっただった。
「そっかー!ごめんなーー!」
そう言うと向日はまたしても飛び跳ねながら行ってしまった。
忍足も「ほな、またな。あ、話したいことっちゅーんはまた今度話すわ」
そう言って向日の後に付いて帰って行ってしまった。
一人取り残されたは何が何だか分からないまま二人を見送った。
「(何だったんだろう、二人・・・・・・っていうか入部届・・・・
ま、いっか・・・別にどうしてもやりたいわけじゃなかったし・・・
誰が置いたのか分かんなくて気持ち悪いしな・・・・・・)」
と、いうわけで向日の作戦は見事成功した様子。
とりあえず、一旦はのマネージャー入りは阻止出来たようだ。
しかし、こんな状況を知って、あの跡部が黙っているはずもない。
ついに、彼が自ら動き出す・・・・・
第4話へ続く
誰ですか、あんた・・・・?(死)
っていうかがっくんが・・・がっくんじゃない・・・・
なんでこんなんになっちゃったんでしょうね!
しかも跡部様が出ていない!
あはは・・・どこの世界にお相手が登場しないドリームがあるんだか・・・
次回はいっぱい出せたら良いなぁと・・・・・
あはは・・・・・ごめんなさい・・・・・。
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