簡単にはアンタなんかにだまされないよ。
恋にはときには駆け引きも必要だからね。

すぐに折れたらあたしの負け・・・・・

恋の駆け引き 第4話


「おい・・・・。」

授業後、家へ帰ろうと廊下を歩いていた私は突然後ろの声に呼び止められた。


「(やっぱり・・・・)あー跡部・・・?どうしたの?」
大方あの入部届のことだろう。
しかしあれは(向日くんと忍足くんに)捨てられてしまったから。

「お前、まだ入部届持って行ってないそうだな。さっさと持ってきやがれ。」
「入部してもしなくてもあたしの勝手だし・・・・」
「俺様が指名してんだ。拒否なんかさせるかよ。」
跡部は必死。そりゃ向日くん達との賭けもあるそうだしね・・・

「嫌。第一あの入部届、もうあたし持ってないの。」
「あぁん?何で持ってねーんだよ?」

「濡れたから捨てた。」

事実だしね、これが。


「(濡れた・・・??)てめぇ・・・・・おい、樺地。」
「・・ウス・・」
跡部が後ろにいた樺地に目で合図すると樺地は私の両腕をがっしりと掴んだ。

「は?ちょ、ちょっと・・・・」
「ついてきやがれ。」
跡部はそう言って歩き出す。
樺地は何も言わず私は抱えて跡部の後についていく。


その頃、またしても陰で見守る・・・いや、見張る目が4つ。
「ヤバイぞゆーしっ!跡部のヤツ、無理矢理をマネージャーにする気だぜ!」
「ああ・・・多分あれは監督んとこ行ったんやろな・・・」
「くそくそ跡部めっ!俺たちがぜっかく邪魔してやったっつーのによっ!」
「せやなー・・・やっぱもしちゃんがマネージャーになってまったら、
 少しとはいえ跡部にもチャンスが向いてまうやろからなー・・・
「ゆーしっ!邪魔しにいくぜ!!」
「またかいな・・・・で、どうするんや?」
「それなんだよなー・・・ゆーし、何か良い考えねぇ?」
「考えとらんのかいな・・・ちょっと難しそやなー・・・・」
「くそくそっ!とりあえず跡部たちの後つけようぜ!!」
そう言うと、向日は忍足の手をひいて跡部の後をつけて行った。



ガラガラッ

ここは職員室。

跡部が扉を開けた。

彼は中に入るとまっすぐに突き進んで行った。

あの、榊先生のところへ。


「監督。」
跡部はいつもの態度からは考えられないくらい控えめな声だった。
榊先生は、振り返ると樺地に固定されて跡部の後ろに立っている私に目をとめた。
「監督。彼女・をマネージャーに推薦します。」
いつになく、穏やかな跡部。これは貴重だ、と思った。

「君が・・・だな・・・。跡部から話は聞いている。
樺地はようやく私を放してくれた。もう逃げないと思ったのだろう。
「先生、突然ですが私はマネージャーになんてなる気はありません。」
私をじっと凝視する榊先生に私は淡々とした口調で言い放った。


『お、ええで、ちゃん♪その調子やvv』
『このままいけば、はマネにはなんねーよな!?』
職員室の外から扉の影に隠れて囁く二人。


「跡部から・・・話は聞いているぞ。是非とも私からもマネージャーを頼みたい。」
跡部は睨み付けるような目で私を見ている。



でも、ここで折れたら・・・私の負け・・・・・


「いえ、でも勉強とも両立も出来る自信がありませんし・・・・」


『さすがだぜ!』
『俺らが心配する必要も無さそうやな・・・』


、お前なら出来ると思うぞ・・・どうかね?」
先生も結構しつこい。跡部は相変わらずの表情をしている。

「ありがとうございます。でも・・・・・」
「そうか・・・・。しかし、籍だけでも部活に入っていれば受験時には有利だぞ。」
「はぁ・・・まぁ・・・・・」
確かにそうだろうけど、なんでそこまで貴方に言われなきゃならんのよ!
ってかいい加減イライラしてきた・・・跡部の性格はこの監督譲りですか?
いや、もしやぶっちゃけ隠し子なのでは・・・・


『なぁ、ちょっとヤバイんとちゃう?』
、ちょっと悩んでるっぽいよな・・・・』
『どないしよう?』
『くそーっ!こうなったらヤケクソで良い!邪魔してやるぜっ!行くぞ、ゆーしっ!』
『何する気やねん・・・・・』


確かに、内申有利なのは分かってるよ。
でも私外部受験する気ないし・・・・
うん、断ろう。やっぱマネージャーとかは向いてなさそうだしね、あたしには。
いや、マネージャーがむいてないっつーよりここの監督と部長が向いてないんだな・・・

結構です、と言おうと口を開きかけたその時。
すごい勢いでコチラに走ってくる一人のオカッパ少年。

向日岳人


「榊監督ー♪」

やたらテンションが高く見える。

第5話へ

誰やねんこれ・・・
このシリーズ書いてると跡部を書くより向日を書く方が楽しいという私・・・
ってかなんでこうも変な展開になるんでしょうね。

けど一応最後までメドは立ってますので。授業中ばっちり下書き書けてますから!
観月の連載みたいに上手く繋がらなくて止まっちゃうことは無いかと思われます・・・
嗚呼、書きたい連載いっぱいだよ・・・どうするよ・・・・