恋愛相談室 中編
さぁ。
前回恋愛相談士・忍足少年の助言により、
少女に接近する完璧☆な作戦を立てた鳳くん。
ここは鳳くんのクラスです。今の時間は英語のようですね。
純情な彼ですが、今回のことに関しては自信満々なようです。
そしてそんな鳳くんを
扉の後ろからストーカーのように見守る忍足少年と跡部少年(樺地付)
彼らは授業はどうしたんだということはあえて聞かないことにしましょう。
忍足少年は恋する少年を助けるためで忙しいようですので。
「(えっと・・・まずは授業中に消しゴムを落として、さんに声を掛ける・・!
そうですよ!やっぱり話し掛けるのも何かキッカケが欲しいですもんね!
流石忍足先輩ですよ!!!)」
英語の先生が、黒板に英文を何やら走り書きしている。
しかし鳳少年はそんなのお構いなしに一人意気込んでいる。
「鳳のヤツ燃えてるなぁ・・・・・」
「なんで俺様が人の恋愛を見なきゃいけねーんだよ。(しかも好きな女の)」
「文句を言うでない跡部!ちゃんと見守ってやるんや!!」
ついに覚悟を決めた鳳少年。
英語の先生なんておかまいなしに計画実行☆
コトン
小さな音を立てて少年の消しゴムは床に落ちた。
そしてその消しゴムに気付かない少女。
(あぁどうしよう・・・さんに話さなきゃ・・・。
で、でもよく考えたらこんなんで本当にさん俺に気付いてくれるんでしょうか?
あっでも忍足先輩が言ってたんですからきっと・・・!!)
今更何言ってるんだ鳳少年。インチキな相談士は信用しすぎるもんじゃないな。
「お、鳳の好きな女の子、ちょっと気にしとるみたいやで!」
落ちた消しゴムの存在にすら気付かない少女を見て忍足少年は言う。
「どこがだよ。」
すかさずつっこむは跡部少年。顔中に不機嫌さが伺える。
「さぁ鳳!そこで声かけるんや!出だしが肝心やで!!」
「無理に決まってんだろーが。」
二人漫才で盛り上がろうとしている中(?)、鳳少年はなかなか声がかけられず悩んでいる。
(な、なんか不安になってきちゃいましたよ〜〜
や、やっぱまた今度違うやり方でさんと話すことにしましょう・・・・)
そう思い、鳳少年は結局自分で拾おうと手を伸ばした。
「アホ〜〜〜!!何やっとんねん鳳ィィィ〜〜〜!!」
扉の陰から声を殺して叫ぶは当然というか忍足少年。
「へっザマぁねーな。」
得意げに笑うは跡部少年。
しかし、この後思いがけない展開へ。
鳳少年に気付いた少女はスッと振り返った。
(さん・・・・(////))
一瞬目が合ってパッと赤くなり、思わず手を引っ込めてしまう純情少年鳳くん。
すると。
「気をつけてね。」
そう言って落ちてた消しゴムを綺麗な手で拾い上げると、鳳少年の手のひらに乗せた。
そしてにっこり笑うと、また席に座りなおして、黒板の方へ向き直った。
(か、可愛い・・・・今の犯罪ですよさん・・・・・!!)
「おぉ〜ええ感じやんか鳳ィ〜〜!!これは絶対脈アリやでっ!」
またしても陰で囁く声。
「そうか?」
つまらなそうに鳳の様子を眺めていた跡部少年はまたつまらなそうに言う。
「跡部、お前は何度も俺の助手しとるのにまだ分かっとらんらしいなぁ・・・」
そう言って跡部の肩をポンと叩いて語りかける忍足少年。
「樺地、逝け・・・・」
「ウス。」
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英語の時間は終わって、まだ少し心弾ませたままの鳳少年。
椅子に座って深呼吸している彼に、どどどっと音を立てて駆け寄る忍足少年。
「やるやんか鳳ぃ!!」
「お、忍足先輩っ!?あ、跡部先輩も・・・」
突然勢いよく教室に入ってきたと思ったら大きな音を立てて騒ぐ忍足少年。
そしてその後ろで不機嫌そうに立っている跡部少年(+樺地)。
鳳少年は驚いて言葉に詰まらせた。
「キャー!?あれって3年の忍足先輩と跡部先輩よっ!?」
「う、ウッソー!?なんで先輩達がっ!!?」
騒ぎ立つ教室。キャーキャーという甲高い声が非常にうるさい。
「あ、あのどうしたんですか、忍足先輩・・・・?」
「何言う天然!俺は鳳、お前の応援しに来たったんやで!」
「へ?」
「俺は一度相談を受けたヤツには、成功するまでとことん付き合うてやるで!」
「は、はぁ・・・どうも・・・・・」
あまりの勢いに圧倒される中、鳳少年はチラッと少女を見た。
彼女も驚いた様子で、少々鳳少年に引け目を感じるように彼を見ていた。
(あぁ、どうしよう・・・さん、俺のことどう思っちゃってるんでしょう・・・!!!?)
「とにかく、俺は最後までお前の味方やで、鳳!!」
「は、はい・・・・!」
それだけ言うと、忍足少年は跡部少年を引き連れて鳳少年の教室を出て行った。
(な、なんかさん、思いっきり俺のことひいちゃってますよね、絶対・・・
忍足先輩・・・簡便してくださいっすよ〜〜〜〜
今日はこれ以上は話しにくいじゃないですか・・・・・)
結局その日、その後はまったく進展なしであった。
いや、授業中に一言交わしただけであんなに喜ぶのもどうかとは思うが・・・・・
「鳳ィ!どや、あのさんって子とは上手くいったんか?」
「え?あ、いや・・・そのまぁ・・・・・・」
「そうかそうか!やっぱ俺が相談に乗ってやっただけのことはあるな!」
「あ、ありがとうございます・・・・」
思いっきり苦笑いを浮かべ、鳳は部活の練習に入った。
こうして鳳少年の一日は過ぎていくのであった。
結局進展出来ないまま、部活も終えて、帰ることになってしまった鳳少年。
忍足少年に相談したのは、本当に正しい判断だったのか、少し不安になった様子である。
もっと早く気付けば良かったものを、可哀想に・・・・
しかし、神は彼を見捨てなかった。
教科書を教室に置き忘れたのに気付き、教室へと戻った時、
彼は思いがけないものと出会うことになった。
「さんっ!?」
「え?」
なんと、教室にいたのは少女である。
「なんでさんが・・・・?」
「お、鳳くんこそ・・・・・」
「俺は・・・その・・・教科書を忘れてしまったみたいで・・・・」
「あ、なぁーんだ。くすっ、鳳くんも結構そういうとこあるんだね。私もノート忘れたんだけど。」
「あ、そ、そうだったんですか!!」
鳳少年は顔を真っ赤に染めて笑顔で返す。
「あーぁ・・・今日の数学、難しかったよねぇ・・・あたしノート追いつけなかったもん・・・・」
そう言って机の中から一冊のノートを取り出してパラパラと捲りながら少女。
「(ハッ!こ、これって忍足先輩が言ってたシーンそのままじゃないですか!?
こ、ここで俺が自分のノート見せてあげれば、きっとさんも喜びますよねっ!?)」
心の中でガッツポーズを取る鳳少年。
「家帰ったら自分で教科書見ておかなきゃ・・・・」
「あ、あの、良かったら俺のノート、どうぞ!俺、一応全部書けてると思います!」
よくやったなぁ鳳少年!彼は自分のノートを少女に差し出した。
「うっわー!鳳くん、すごいね!滅茶苦茶ノート綺麗!!」
綺麗に整理されたノートを見ては感動して言った。
「(よ、良かった!俺今まで真面目に授業受けてて良かったですよ!
こんなに良かったと思ったの初めてですよ・・・!!)お役に立てて嬉しいです。」
にっこりと笑顔で返す鳳少年。
だが、ここで満足しちゃ駄目だぞ、少年!
放課後に教室で二人きり・・・こんな良いシチュエーション、もう二度と無いかもしれないんだ。
後編へ
なんか前半が楽しかった恋愛相談室。
跡部と忍足がお気に入り。(これは鳳ドリームだろうが)
中編はイマイチですね・・・特に後半部、ネタありきたりですし;;
なんかやり方がガキっぽいって感じですがそれがこの話の魅力(嘘つけ)なんですよv
大した相談出来てないのに一人盛り上がる彼が良いんですよ。(死)
それにしてもなぜ長太郎は敬語なんだ・・・・・
いや私は鳳長太郎=敬語という方程式がですねー・・・
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