愛が生まれた日 第1話


聖カロスト女学院

東京都の某都市の女子高校である。
この恋物語はこの学校のとある朝から始まるのです。


私は

聖カロスト女学院に通う高2の女の子です。
特技は人間観察と考察、最近学校生活に物足りなさを感じるクラス委員です。



「ねー聞いてーv昨日アイツと水族館行ってー、これ買ってもらっちゃったーvv」
「うっわー!良いな〜vvめっちゃ可愛いじゃん!買ってもらったの?」
「当たり前じゃん!アイツ私が頼めば何でも買ってくれちゃうもんv」
「羨ましいなー」

女子高は煩い。とにかく煩い。
楽しいといえば楽しいが、煩いことに代わりは無いのだ。


(私なんで女子高なんて入っちゃったんだろうなー・・・・)

私は友達と喋りながら考えていた。
確かに皆面白いし、明るいし、楽しい。でも時々うるさく感じることも多い。

みんな男の子の話ばっかりだが・・今のところは男の子に興味は無いのだ。

「ねぇー、は付き合ってる人いないのぉ?」
「私ー?いないよー」
「なんで〜なら可愛いんだからさ、すぐ彼氏出来そうじゃん!」
「そーそー。よく告られてるしねー」

「そうかー?」
「そうだよー。
 あ、そういえばこの前に告ってた男の子、結構かっこよくなかった?」
「いつの子?」
「ほら、この前駅前でー!」
「そんなにかっこいいかなー?ってか何で知ってんの!?」

「あんな人通りの多いとこ、告白プレイスじゃないよねーあはははー」


笑い声が今日も響いてる。

私も苦笑いで答える。なんだか最近、つまらない。

毎日毎日同じことの繰り返しで・・・・


何か変わったことが欲しいな。



「ホームルーム始めるわよー、皆さん席に着いてー」


先生がドアを勢いよく開けて入って来た。
私の2−Eの担任の先生はメガネを掛けたいかにもカリスマって感じの女の先生。
なんか今にも「〜ザマス」言葉で話し出しそうな顔してる。

先生の仕草とか見てると多分家はお金持ちなんだと思う。
ご飯の食べ方とか、色々見てるとね。

ここからは完全な想像だけど、
なんでそんなにお金持ちなのに公務員なんて仕事してるのかってのは、
きっと他に長男がいて
その人が後継ぎになるから自分は何の職業に就こうか迷った、
そして考えた結果、消費税が5%から10%に上がって
税金で儲かってそうな公務員になったんだよきっと。

ってか公務員ってなんだかんだ言って儲かってそうだと思うの私だけ?



「えー、今日は皆さんに素敵なお知らせがあります。」

「キャーvv何だろうーv」
「超楽しみー」

茶髪生徒軍が言った。

「実は今日から数ヶ月の間、教育実習の先生が一人来てくださいます。」

「マジでー!?」
「きゃーvv先生〜!!男ー?」
「マジ!?男だと良いなーvかっこいいかなーv」

「静かになさい。」

先生はメガネをクイと上げながらピシャリと言った。やっぱカリスマだね。

「赤澤先生、入って来てください。」
「はい・・・」



そう言って教室に入って来たのは色黒の若いお兄さんだった。


「キャーーvマジ男だしーv」
「先生〜!こっち向いて〜〜vv」

ここは女子高。男の先生というのは非常に貴重な存在である。
赤澤先生は少し緊張しているらしく、うつむき加減に自己紹介した。


「東京都某教育大学の赤澤吉朗っす・・・
 今日から3ヶ月間、このクラスで勉強させてもらうことになりました。」


「キャハハーv先生かわいーv」

「静かになさい!」
また先生が言った。

「皆さん、
 男の先生がいらっしゃったからと言って調子に乗らないように。良いですね。」

「はーい」
全員が返事した。ここは幼稚園じゃないんだぞ。



赤澤先生かー・・・
うっわー、他の女子達、目が赤澤先生の方にキラキラ輝いてるよー
ま、男の先生は確かに貴重で珍しいもんね・・・

それにしても色黒だなー・・けど腹は黒く無さそうな顔してるな。
理科の担当の観月先生なんて何考えてるか分からないくらい腹黒そうだもんなー・・・
その点赤澤先生は良い人っぽそう。専門分野は国語っぽいね。
体育でも良いけどそれじゃあまりに直接的すぎるからやっぱ私は国語希望かな。

なんか今まで海の家でバイトでもしてそうな感じー・・・
サーフィンとか得意そうだけど小さい頃に溺れた経験ありそうな顔してるね。

ちょっと小心的で周りに女王様的人がいたらすぐに良いように使われそうだな。
それから彼女はいないと見たね。ま、恋人いない暦20年ってとこっぽいな。



第一回赤澤先生の人間観察終了。



そして放課、やはりというか赤澤先生の周りには多くの女子生徒に囲まれた。

「先生ーv先生何歳なのぉーv」
「19だ。」
「わかーいv恋人はー?」
「の、ノーコメントだな。」

私の観察は外れないのよ。やっぱり彼女いない暦20年ね。

「キャーvvじゃあ先生ーv私先生の恋人に立候補しまーす!」
「は、はぁ?」
「ぎゃははは!!」

みんな腹を抱えて笑ってる。赤澤先生はすっかり皆のペースに落とされてる。

あーぁ、可愛そうに・・・・



「赤澤先生ってさー、なんか結構かっこいいよねーv」
「そぉ?」
「あはは・・・はあんまり興味無いもんね。」
「うん。それに私のタイプじゃないよあの先生。なんかちょっと頼りなさそうだし。」
「そう?色黒くてなんか強そうでかっこいいじゃないーv」
「そうかなー?結構色んな人に尻にしかれてそうなタイプだと思うけど。」
「どこからそういう想像出来るの・・・って・・・・」


どこからって言われてもなー・・・・・

なんか人見たら色々考えちゃうの癖だし・・・
人の言動にも何かとツッコミ入れたくなるのも無意識だし・・・

「あーあ!赤澤先生と話したいけど・・・周りの女子の群れがねー・・・・・」
「仕方ないよ。皆男の先生なんて聞いたら黙ってないもの。」

私が微笑して答えた。

「ま、そうなんだけどさー・・・あぁいう彼氏、ほしい。」
「本気で言ってんの?」
「もち!いつか告白してやるわ!」

今私と話してたのはこのクラスで私が一番仲の良い神楽ミホ。
他の女子ほど騒がなくて割と気も合うし、よく喋ってる。
ミホのことは考察するまでもなく自分から色々と話してくれちゃってるんだけどさ・・・・


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帰り、私が廊下を歩いて下駄箱へ向かおうとしていると
奥の階段から話し声が聞こえてきた。

私のクラスの先生と、赤澤先生の話し声だ。

「先生、あのくらいでペースを乱されては困りますよ。」
「は、はぁ・・・・」

赤澤先生が頼りなさげに返事をしているのが分かる。

「生徒はみんな男の先生が珍しくてはじけてますから。
 先生がしっかりしてくださらないとみんなますますエスカレートしてしまいますわ。」
「わ、分かってます。少しずつ慣れていくつもりですから・・・・」
「お願いしますよ。
 生徒の勢いに圧倒されるのは分かりますけど、いつまでもこれじゃ困りますから。」


先生も色々と大変なんだなぁ・・・・

ま、私には関係ないことか・・・・・


第2話へ


題名は先日車の中でかかってたあのデュエットの定番曲から。(なぜ車の中で!?)
ストーリーは我が愛し高橋留美子さまの『めぞん一刻』から。
でも大分変えてあります。しjかも主人公の音無じゃなくて八神のシーンから。(ぇ)
だって私は頑張れいぶきちゃん派だもの♪(この話分かる人いるのか?)
それにしても誕生日ネタが無かったので赤澤先生の連載始めてみました。
よく見るとウチのサイトは観月以外の連載が非常に少ないです。
っていうか観月の連載も簡潔させなきゃですね・・・・(苦笑)