始めはただかっこいい人だな〜って思ってただけだった。
女の子からも割と人気があって流石だな〜って感じだった。
それが今はもう鬱陶しくて仕方ない存在。
ウチの学校の優等生兼問題児
その名も 観月はじめ
罠 第1話
「可愛い可愛いさんvv」
今日も来た。
私の教室の扉に立って薔薇の花束を抱え、
にこにことしながら私の名前を呼んでいる少年・観月はじめ。
顔良し・頭良し・家柄良しで女の子にはすごい人気。
だけれど彼・・・・・変態です。
「げ、観月・・・」
「何ですか、『げ』って。可愛い顔が台無しですよvv」
「放っておいてくれ。」
そう言いながらそっぽを向く私をよそに、
彼は教室に入って私の机まで歩み寄ってきた。
「あぁっ!今日も朝からさんに会えるなんて
僕はなんて幸せなんでしょう!」
「アンタが会いに来たんでしょーがっ!
あたしはなんて不幸なんでしょうねっ!!」
そう言いながら私は観月から逃げるように席を立った。
「さん!なぜ逃げるのですかっ!!?
僕のこの溢れてしまいそうな愛が貴方には分かりませんかっ!?」
「分かりません。」
そうキッパリと言い放つと、私は窓に手を掛け、運動場へと飛び降りた。
ちなみにここは1階。飛び降りたって言っても大したことないんです。
「ちょっとーーーー!!?」
クラスの中にいた瑠璃が私の後を追うように駆け寄ってきて、
窓から顔を出した。
「どこ行く気!?1時間目はっ!?」
「サボる!」
私は瑠璃に向かって叫んだ。
すると瑠璃ははぁ〜とため息をつきながら教室の中へと帰って行った。
「も大変だねぇ・・・・」
「さんっ!」
瑠璃が窓から離れたと思うと、それに入れ替わるようにして観月が顔を出した。
「さん。窓から飛び降りるなんて女性のすることじゃありませんよ?
僕の可愛い貴方ならなお更・・・・・・」
「お黙りなさい。誰の所為だと思ってんのよ。」
「誰の所為なんですか?」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・?」
「もう良いよ。じゃあね、観月。」
それだけ言うと私は観月から逃げるように走り出した。
「ちょっと待ってくださいよ!!」
そう叫びながら観月も窓から外に出ると、私の後を追ってきた。
「付いてくんな変態ーーーーーーーーー」
私はダッシュで走りながら後ろの観月にむかって叫ぶ。
通り過ぎる教室の窓からは何の声だ?とばかりに
窓から顔を覗かせる生徒が沢山いた。
「全ては貴方を愛しているがための行為ですよーーー」
「それを変態と言うのよーーーーーーー」
「えーー?何ですかーーーーー??」
走りつかれたことだし、とりあえず私は一旦立ち止まった。
ちなみにここは体育館裏。よく告白プレイスとして用いられる場所である。
「どこまで追いかけてくる気?」
「勿論、貴方を僕のモノに収めるまでですv」
「お断りです。」
「んふっv本当に素直じゃないですねぇv
ま、そんな貴方も好きなんですがvv」
そう言いながら彼は私に近寄ってきて薔薇の花束を差し出してくる。
「あのねぇ、観月。いい加減にし・・・・・」
と私が言いかけた時のことであった。
「っ!観月っ!何をしているっ!!!」
私たちの横から物凄い声が響いてきて・・・・・
「「あ、先生・・・・・・」」
「お前ら、朝から堂々とサボりか?」
先生はそう言いながら私と観月の顔を交互に見た。
「いえ・・・そういうわけではないのですが・・・・」
私がそういい掛けると、
先生はコホンと一つせきをして私たちに話し始めた。
「あー・・・別に先生たちは男女交際までは禁止しようとは思わん。
しかしだな、やはり時と場合というものは考えて行動してほしいのだ。」
「申し訳ありませんでした先生。」
ちょっとちょっとちょっと。
観月何にも言わずに素直に謝ってんじゃないわよ。
全くの勘違いされちゃってんじゃない。
「あの、先生・・・
つかぬことをお聞きしますが今男女交際とおっしゃいましたか?」
「それがどうした?」
「どうしたんですかさん?」
あんたは黙ってなさい、観月。話がややこしくなる。
「お言葉ですが私たちは断じてそういった関係ではありませんのですが・・・」
「言い訳はどうでも良い。
とにかく二人とも今すぐ教室に戻ること!
更に罰として今日の放課後はここの体育館裏の掃除だ。良いな。」
いや良くないッスよ!
と言いたかったがこれ以上反抗すると私の内申もヤバイので・・・・
「は、はい。」
私は一言気のない返事をした
ってか男女交際って何よ。
観月の所為で散々だわよ全く。
しかも観月と二人で放課後掃除当番ですとっ!?
わ、私の貞操が・・・・・貞操の危機ではないですかっっ!!
だーっもうっ!観月の所為であたしの学校生活滅茶苦茶だーーー!!
あたしの青春返せーーーーーーーー!!!!!
第2話へ続く
なんか微妙な出来栄え・・・・・
4〜5話程度で簡潔予定です。
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