もううんざりです・・・・・

誰でも良いからこの変態をどうにかしてください・・・・

罠 第2話

「ほんっとーに観月くんもよくそこまでやるよねー・・・・」
「何がですか?」
「いや何がって・・・・・・」


今朝あんなことがあったばかりだと言うのにあの観月はじめは
懲りずにまたしても私の教室のドアに立っています。
そんな観月くんに瑠璃は冷たく言っていました。


「愛故にの行動なんですよ。神楽さんも分かるでしょう?」
「いや、分かりたくないです。」
「んふっ
 ま、僕とさんのふかーい愛は他の人には誰も分からないかもしれませんねv」


そんな風に二人が会話している間に私は今のうちにと逃げようとした。
が、しかし。世の中そんなに甘くない。

さんっvどこへ行くんですか?
 変な虫がついたら大変ですから僕がお供しますよv」
「だーっ!結構ですよ変態っ!!!っつーか来んな!!」
「言葉づかいの悪い。せっかくの可愛い顔が台無しじゃないですかv」
「放っておいてください。」

「あっ、そうでした!この薔薇の押し花、綺麗でしょう?
 僕がのために作ったんですよvv」
「あー綺麗綺麗。でも私いらないから。」
「冷たいですねー・・・・」

会話はこんな感じでちっとも進まない。

「あのね、観月。
 ハッキリ言いますけど、あたしこれ以上貴方に内申下げられたら困るの。
 貴方のような優等生ではありませんのでねー!
 迷惑なの。分かる?め・い・わ・く!!」


それだけ言うと観月は「んーっ」と言いながら
しばらく考え込んでいるようだった。
「そうですか。なら良いんです。残念ですねぇ。」

それだけ言って私の教室から出て行った。


ってちょっと待って!!?
なんでそんなに素直なんですかっ!!!!?
いつもならどんだけ強く言っても「貴方を僕のものにするためにv」
とか言ってるのに・・・・・


なんか毒気抜かれちゃうじゃない・・・・・




でも今まであれだけ追いかけて来たんだし、
次の放課になればまた懲りずに来ると思ってた。



だけど、次の放課も、その次の放課も・・・・・・
観月は全く姿を見せなかった。

それどころか朝先生に言われた放課後の掃除当番まで
アイツはサボったんです!!
か弱い乙女に一人で掃除させるなんて良い度胸じゃない(ニコ)
覚えてなさいよ観月。


それにしても何なんだろう・・・・
突然身を引いたかと思ったら・・・・・
もしかしてとうとう諦めた・・・?
でも今まであれだけ言っても諦めなかった観月が・・・・

やっぱりちりも積もればってヤツかなぁ・・・・・?
観月のこと、別に好きでもないけど、
なんかこうもあっさりひかれると調子狂っちゃうじゃない・・・・・・



だが、その次の日、結局観月は一度も私の前に姿をあらわさなかった。

心配になってしまい、その次の日に思わず観月と同じクラスの子に聞いてみた。


「ねぇ。最近観月くんってお休みなの?」
「え、観月くん?一度も休んでないと思うけど?」
「そうなんだ・・・・ありがと・・・・・・」


来てるんだ・・・・・
じゃあなんで・・・?なんで来ないのよっ!!?
仕方ないから私の方から観月の方に行ってみることにした。
掃除の文句も言いたいし、一体何が心を変えたのかも聞きたいし・・・

そして私は観月のクラスへと入って行った。

いつもなら見るだけで鳥肌の立つ観月の顔だけど、
今日はその顔を久しぶりに見た時、なんだかホッとした。


「ちょっと観月っ!!!」
私は観月の席へ歩み寄って、机をバシリと叩きながら観月に向かって言った。

すると観月はチラリと私の顔を睨むように見ると、
大きなため息を一つつきながらこう言った。
「何か用ですか?煩い人ですねぇ・・・・・」

「なっ・・・・なにっ!?
 そ、そんなことより、なんでおととい掃除当番サボったのよ!」
彼の言葉に一瞬戸惑いそうになったが、とりあえずこれを聞いてみる。

「簡単なことですよ。貴方なんかと一緒にはいたくないからです。」
「え、え・・・・?」
「聞こえなかったんですか?貴方なんかと一緒にいるのは嫌なんですよ。」


ちょっと待ってよ?一体どうなってるの・・・・・?
今まであれだけ私を追いかけて、迷惑かけておいて・・・・・
久々(っつっても2日ぶりだけど)に会った言葉がコレ?

何があったの・・・・・・!!!?

「ちょっと観月っ!?一体何があったの・・・・!!?」
「何もありませんよ。なんでも良いですけど、ウザいですよ、貴方。」


「・・・・・・・・・・」


ウ・ザ・イ・・・・・・?


なんで・・・・・?
どうして観月はこうなったの・・・・・・?私の所為・・・・・?


「ねぇちょっと観月っ!」
私はしつこく観月に聞いてみようとした。
が、そこで授業のはじまりのチャイムが鳴ってしまった。

観月はやっと開放されるとでも言いたげに私を睨んだ。

「また次の放課来てやるからねっ!!!」

そういい残して私はその教室を出た。

「もう来なくて良いですよ。」
ポソリと呟く声が私の背中へと聞こえてきた。




次の放課も、私は言ったとおり観月の元へと向かった。

「観月っ!何がどうしちゃったの!!?」
「また貴方ですか・・・・何度言ったら分かるんですか・・・」

「だって・・・!だってどう考えたって変じゃない!」
「変なのは貴方ですよ。毎放課人の席へ来て・・・・
 迷惑だと言うのが分からないんですか?」

君にだけは言われたくないよ観月くん。
ってそんなこと言ってんじゃないっ!!


「じゃあもうほんっとーに二度とあたしを追いかけてこないのね!?」
「勿論そのつもりですよ。」

ピッキィン

「あっそ。じゃあ良いわ。さようなら。」


そういい残して私は観月の教室を去った。
しかし、内心は「良いわ」なんてカケラも思っちゃいない。


観月・・・・なんでアンタがそんなんになったかは知らないけど・・・・・
こうなったら意地でももう一度アンタに私を好きって言わせてやるわっ!

追ってくるものからは逃げたくなり、
逃げるものほど追いたくなる。

人間ってこういうものなのよね。


第3話へ続く

なんかヒロインさんどんどん盛り上がっちゃってますが(汗)
頑張りますです。