恋のハードル 第5話

「あんないい加減な人、大っ嫌い!!」


「大嫌い・・・ですか・・・・・」
クレープ屋で誰にも聞こえないくらい小さな声で観月が呟く。

「はじめちゃんっ!何食べる??」
少しボーッとしてしまっていた観月の服を麗華が引っ張る。


(はぁ・・・・)



そして&木更津ペアはと言うと。

「何食べたい?奢ってあげるよ。」
「え・・・そんなの悪いよ・・・自分のくらい自分で払うよ!!」

そう言ってはカバンから財布を出そうとする。

木更津はそのの腕をつかんで言う。

「気にしなくて良いよ。」
そう言ってにっこりと笑う。その顔にがかすかに頬を染めた。

(きーさーらーづー・・・・)

観月はクレープ屋の空いてた席に
麗華と座りながら心の中で黒い炎を燃やした。



「僕に奢らせてよ・・・くすくす・・・・・」
木更津がそう言ったかと思うとちらりと後ろを振り返って観月たちを見る。

(やはり木更津、僕に気付いててやってたんですね・・・・・許しませんよ・・・)
「木更津くん、どうしたの?」
が不思議そうに聞く。

観月と麗華は何でもない顔して
(って言ってもマスクつけてんだけど)そのまま座っている。

「ううん。何でもないよ。
 ただあそこにいる人たちどこかで見たことあるなぁって思って。
 学校からずっとつけて来てるし。」
「あぁ、そうだね。
 そう言えば観月くんと可愛い
許婚の麗華ちゃん
 に似てるかもね。」

作戦失敗ですね、観月ちゃん。
でも観月は気まずい空気の中で知らないフリしながら麗華に向かって言う。


「麗華さん、何が食べたいんですか?今日は奢ってあげますよ。」
「本当!?観月ちゃんが奢ってくれるのぉVv!?嬉しいィーー!」

そう言って麗華は観月に抱きついた。

仲の良いカップルよねぇ・・・
 じゃあ私もお言葉に甘えて奢ってもらっても良い?木更津くんv」
「もちろんだよ。」

木更津は口元でニヤリと笑う。
周りから見れば両方ともラブラブな(黒)カップルにしか見えない。


(イライラ・・・・)


観月さんも爆発気味。すぐにでも&木更津をとめたい衝動に襲われます。




その2組のカップルの席は隣同士だった。
店内満員のため、店員さんが勝手に席を決めていく。

2つの隣り合ったテーブル。だが二組のカップル、まったくお互い無視。


かと思われたが・・・・・・・・・


「ねぇ、木更津くん。今度の日曜日、暇?」
は顔にいつものブラックスマイル☆

そしてワザと観月にも聞こえるように大きな声で。
観月も耳をすますまでもない。

「日曜日?暇だよ。暇じゃなくてもさんのためなら何でもするよ。」

木更津もそれに負けないくらいの声で。

店にいる客のほとんどがその大きな二人の声に注目する。。



「はじめちゃん!せっかく来たんだからもっと楽しそうにしてよぉ!!」

さっきからずっとたちの話を聞いていて、
ずっと黙り込んでいる観月にむかってクレープを口に運びながら麗華が言った。

「今は僕は忙しいんです。」
観月の声は冷たい。しかし麗華もそのくらいで諦めるような女ではない。

「あっはじめちゃんっ!!あれも頼んで良い!?」
観月の北極並の冷たい声にも動じず、メニューを指差して言った。

「もう好きにしなさい・・・・・。」
仲が良いんだか悪いんだか・・・・・



そしてと木更津に戻ります。

「日曜日、どこか行こうよ!遊園地とかさVv」
がにこりと笑う。
今のはどちらかと言えばブラックではなくエンジェルスマイル。

さんから誘ってくれるなんて嬉しいなぁ・・・・」
木更津もくすくすと笑いながら言った。


「本当?嬉しいなぁvどこかの
 
データ収集ばっかでちっともかまってくれない
 誰かとは違うねv」

(・・・・・・・)←観月

「もちろんだよ。(にっこり)」

(・・・・・・ピキッ・・・・・)←観月

「私お化け屋敷とかジェットコースターとか好きなんだ!!
 本当に連れて行ってくれるの?」

さん・・・遊園地なら僕が・・・・)

もちろんだよ。怖かったら手繋いでも良いよv」

(・・・・・・・・・#・・・・・・・・)←観月


「木更津!今度の日曜日は練習試合があると言ったでしょう!!」

ついに我慢出来なくなった観月が席から立ち上がる。
と木更津は観月の方を振り返ると二人とも笑顔で笑う。

「あら、観月くんvいつからテニス部
 
マネージャーからストーカーに転職したの?」
がにっこりと毒を含んで笑う。

「くすくす・・それにどうしたの?そんなに必死になったりしてv」
「はじめちゃん〜vはじめちゃんも食べよ〜〜vv」

相変わらずクレープを食べ続ける麗華であった。

「とにかく木更津、遊園地なんて許しませんよ。」
「別に観月は僕のお母さんじゃないんだからそんなの僕の勝手でしょ?」

ここ大事なとこですよ!!「お父さん」じゃなくて「お母さん」なとこが!!(何)

「駄目です。
 今日だってスクールサボったんですからね。次は絶対許しません。」
「くすくす。サボったのは観月だって一緒じゃない。」


「はじめちゃん〜v」
「観月くん、
可愛い許婚が寂しがってるじゃない!
 かまってあげなきゃ!!」

は落ち着きを保ったような雰囲気で椅子に座ったまま、
立ち上がってる観月に言葉をぶつける。

さんもですよ!マネージャーとして応援に来てください!!」
「マネージャー?そんなのあったかしらねぇ・・・・」

「観月、さんは忙しいんだよ。僕とデートするんだから。」
「木更津!!」


どちらの一歩も引かない言い合い。
そしてその様子を物珍しそうに目を点にして見つめる店内のお客たち。
今にも殴り合い(になるはずないのだが)
になるのではないかと心配そうにその様子を見ている。


「そう・・ですか・・・・・」
観月はんふっと口元で笑うと自分の席に座る。

「麗華さん、僕たちも日曜日、遊園地へ行きますよ。」
クレープを美味しそうに食べている麗華にむかって観月が言った。

「はじめちゃん本当ぅー!?きゃはっvvやっぱはじめちゃんだーいすき!!」

慌ててクレープを食べる手を止めた麗華が観月に抱きつく。



「ふーん。楽しそうねぇ、観月くん!良かったわね!!」
はそう言うとこれでもかというくらい冷たい目で観月を睨み付け、
ニコリと笑った。

さん、僕たちも楽しんで来ようねv」
木更津はちらっと横目で観月を見ると挑発げに言った。

「そうねv」
はノリノリで答える。

(・・・やはりそう簡単には行きませんか・・・
 少しは妬いてくれるのを期待してたんですが・・・
 んふっ・・・こうなったらもう仕方ないですね・・・・・)

「麗華さん。日曜日、朝の9時に校門で会いましょう。」

観月はと木更津に聞こえるよう、思いっきり大きな声で言う。
その声に店の中がびくりとする。

「きゃぁっVvはじめちゃん素敵ぃv」
そう言って麗華は観月の服をギュっとつかんで観月の胸にほお擦りする。
さすがにコレはを挑発しすぎた。



プッツン

いつもの音。

ガタッと席を立ち上がる
「じゃあ木更津くんv楽しみにしてるわv
 あっちょっと私今日用事があるから先に帰るわね。」
そう言ってにこりと笑う。

さらに観月の方へ振り向くと、
「観月くん!頑張って!」

そう言って毒をいっぱいに含む笑顔で笑うと店を出て行った。
そう、ある場所へ行くことをは決意したのだ。

・・・?どこへ行くんです・・・?」

突然の展開にさすがに驚いた観月がの背中に向かって言う。

さん・・・・?」
もちろん木更津も。



ガシャン


ドアは思いっきり大きな音を立てて閉まった。
は観月や木更津の言葉など無視して店の外へ出ると、
どこかへ向かって歩き出した。

「こうなったら・・・・あの人しかいないわ・・・・」
はニヤリと笑って足を進める。

「クスッ・・・・見てなさい、はじめ・・・・・麗華・・・・・」
燃える。黒く燃える



一体何を企んでいる・・・・!?
果たしての向かう先とは・・・・・・!?

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なんかどんどん意味不明になっていってます・・・(汗)
そしてヒロインはどんどん黒くなっていく!!
今日はクレープ屋でダブルデート!
そして次回は遊園地でのダブルデート!と思いきや、
その間にもう1話入ります。次回は観月の出番少なくなりそうな予感・・・・・