「ねぇ聞いた?明日来る転校生の話。」
「マジで?どんな子なんだろうー?」
「なんかクラス8に入るって噂だけど。」
「クラス8か〜じゃあ結構強いんじゃん!?」
「楽しみだね〜」

『ふんばり学園 第1話 転校生は一目惚れ』

ここはふんばり学園。
この学校は一言に言えばシャーマン養成学校である。
人間たちが「霊」の存在を信用しなくなってしまった今、
シャーマンたちの地位は非常に低下してしまっている。


そこで作られたのが、このふんばり学園である。
ここは年齢などは関係なく、巫力の大きさでクラスは決まる。
巫力レベルが低めのシャーマンはクラス1〜3に、
巫力レベルが中くらいにシャーマンはクラス4〜6に、
巫力レベルが高いシャーマンはクラス7〜9に入ることになっている。


「おい、葉っ!!大ニュースだぜっ!!!」
ここはクラス8。大声で叫びながら教室に飛び込んで来たのは
水色髪で逆毛立った少年・ホロホロである。

「んあ?どうしたんよ・・・?」
机から眠たそうに顔を上げたのは麻倉葉である。
目を半目開けて椅子に座ったままホロホロを見上げた。

「ったくオメェはよ!寝てる場合じゃねーぜ!
 明日このクラスに転校生が来るらしくってよ!」
「転校生?」
眠たそうにしていた葉の目はパチリと開いた。
「ウェッヘッヘ。そっかーどんな奴か楽しみだな。」
「だろだろ!?可愛い女の子だと良いなー。」


「フン、世の中はそう上手くいくはずが無いだろう。」
このまるでどっかの大人が言うような口の聞き方は道蓮。
頭のトンガリは一番の特徴である。

「何言ってんだよ!そういう蓮だって本当は気になるんだろ、転校生のこと!」
ホロホロがからかうように蓮に言った。
「馬鹿が。オレは貴様らのように、
 どうでも良いことばかり考えてられるほど暇ではないのでな。」
椅子に座り、頬杖をつきながら蓮は言った。

「ちぇっ、つまんねー奴だぜ。」
「ま、しょうがねーだろ。蓮は潤と同じクラスになれなくてカリカリしてるんだから。」


「貴様ッッ!!殺されたいのかっ!!」
真っ赤になってどこから共なく馬孫刀を取り出し葉に突きつける蓮。
トンガリがグングン成長している。
「ま、蓮もそうカリカリすんなよ。潤さんだって同じ学校に通ってりゃいつだって会えるじゃねーか。」
「オイラにしてみりゃアンナと同じクラスにならなかったのが唯一の救いだしな〜」
ウェッヘッヘと頭をかきながら葉が言った。


「誰と同じクラスにならなかったのが救いですって?」
葉の後ろから飛んできた声。
恐る恐る声のする方を見てみると、
そこには仁王立ちして腕を組んだ少女、恐山アンナが立っていた。

「あんた、明日一日空気椅子よ。分かったわね。」

「あ、アンナ・・・・聞いてたんか。」
「私はあんた達の隣のクラス7なのよ。来ようと思えばいつでも来れるの。」
それだけ言うと、アンナはスタスタと自分の教室へ戻って行った。



「ま、なんにしても明日が楽しみだぜ!」
「オイラは明日空気椅子だけどな・・・・・」
「馬鹿どもが・・・・・・」



そしてとうとう噂の転校生のやってくる日となった・・・・・・



「さぁみんな席に着け。ホームルーム始めるぞ。」
チャイムと共にシルバ先生が教室の扉を開けて入って来た。
生徒たちは、皆どきどき・わくわくで先生が転校生のことを話してくれるのを待っている。


「えー、皆、知っている奴も多いと思うが、
 今日からこのクラスに新しく入った生徒がいる。君、入ってきなさい。」

「はい。」
扉の向こうから女の子の可愛らしい声が聞こえた。
その声に、男子生徒の期待は深まる。

そして少女は教室へと入って来たのだ。
「えーっと・・・今日から新しく入ることになりました。です。
 えとっ・・・皆さんよろしくお願いしますっっ!!」
緊張の余り赤くなった顔でペコリと頭を下げた。


((((((((か、可愛いっ!!))))))))


男子生徒の誰もが思った。

「よし、じゃあちゃんの席は・・・蓮くんの後ろで良いな。
 ほら、あのトンガリの後ろの、一番後ろの席だ。」
こういう時、蓮の後ろというのは非常に説明し易い席だった。
「は、はいっ。」

返事をすると、は蓮の後ろの席に座った。
「えっと・・・蓮くん・・だよね??よろしくね。」
「ん・・?あ、あぁよろしくな。」
突然挨拶をされて一瞬言葉に詰まってしまった蓮だった。

(フッ姉さんには及ばんがまぁまぁだな。)
後ろ目でチラチラとを見ながら蓮は思った。


「ちくしょー!蓮の奴うらやましーぜー!!!」
ホロホロがと蓮の席の一角を見ながら言った。
「結構可愛い子だもんな。ウヘー・・・」
葉とホロホロは席が隣同士である。

「ちぇっ!蓮のやつ、後で冷やかしてやろうぜ!」
「そんなことするとまた蓮のトンガリが伸びちまうぞ。あんまりチョッカイだし過ぎるなって。」



「あー、皆転校生が来て興奮する気持ちは分かるが静かに。」
シルバ先生がざわつく皆に言った。
「では一時間目の用意をするように。」
そう言ってシルバ先生は教室を出て行った。

「ねぇねぇ蓮くん。一時間目の授業は何なの?」
「霊史だ。」
蓮は短く答えた。
ちなみに霊史というのは霊術・霊能力の歴史のことである。
「霊史かー。先生は誰なの?」
「カリムだったな、確か。」
確かって何だ確かって・・・・とつっこみたくなるがここは抑えることにしましょう。
「霊史はカリム先生なんだね!
 最初の授業か〜緊張するな〜〜vv」
緊張すると言いながらもはかなり楽しみで、浮かれていた。


そんなの元に一人、歩み寄ってくる青年がいた。
さんだったね。」
「は、はい・・・そうですが・・・・・」
メガネをクイッと上げながら身長の高いその青年はそのまま続けた。
「オレはこのクラス8の学級委員のマルコというものだ。」
「マルコさんですね。よろしくお願いします。」
は丁寧に、にっこりと挨拶する。
しかし、マルコはそれに少しも動じず話を続けた。

「どうも最近この学校はなってない奴が多いんでな。
 まぁそれというのもあの生徒会長が悪いのかもしれんが・・・・
 授業中居眠りをしていたり、学校の公共物を凍らせてしまう悪戯をしたり、だ。」
マルコは葉とホロホロの方を横目でチラリと見ながら言った。
二人は一瞬ビクリとしたようだが、何事も無いかのように知らん顔している。
「そ、それは大変そうですね・・・・(生徒会長・・・?)」
、君の活躍を期待している。」


それだけ言うとマルコは自分の席へと戻って行った。


のふんばり学園での生活はまだまだ続く。


第2話へ続く


なんか突然思いついたので書いてみました。
テニプリで書いてみようかな〜とも思ったのですが、何せテニプリは元々学園モノ・・・
青学・ルドルフ・不動峰・氷帝・山吹の生徒たち一校に集めてってのも考えたのですが、
やはりこういうお話はマンキンの方が面白いかな〜と・・・・
頑張って続き書きたいです。