『ふんばり学園 第2話 吹き荒れる・愛の嵐』

「ねぇ蓮くん・・・さっきあのマルコさんって人が言ってた生徒会長って誰なの・・・・?」
カリムの霊史の授業が終わると、が突然蓮に聞いた。
「ん・・・?あぁ、ヤツか・・・・・まぁ嫌でもそのうち会うだろう。」
「え?どゆこと・・・?」
「それだけ目立ったヤツだとっ・・・・・・!!?」
突然蓮に向かって飛んで来た鉛筆やら消しゴムやら。


「ワリィーなー蓮!ちょっと手が滑っちまったぜ!」
そう言いながら先ほど落とした、もとい、投げた鉛筆たちを拾いにくるホロホロであった。

「オレはホロホロってんだ!よろしくな!!」
「こちらこそ宜しく、ホロホロくん!!」
はホロホロが鉛筆を拾うのを手伝いながら言った。
「何だよみずくせぇな!呼び捨てで良いぜ!」
「そう?じゃあ私もって呼んでね!」
「あぁ、勿論だ・・っ・・・・!!!!!??」


ドゴォッ


「おっとすまん。いたのかホロホロ?手が滑ってしまった。」
蓮が厚さ20cmはあろう辞書をホロホロの頭の上に載せて・・・いや、正しく言えば殴って・・・・
ホロホロ、即ノックアウトかと思いきや、愛の力はすごい・・・・

「てめぇ蓮何しやがる!!!なんでそんなデカい辞書持ってやがんだよ!」
「使おうと思ったのが思っていたより重く、手が滑ってしまったのだ。何か文句があるのか。」
「てっめー!興味ないって顔しときながらやっぱのことが気になってんじゃねーか!」
「なっ・・・何を言うかっ!!オレは・・ただ・・・っ!!!」


二人がバチバチと火花を散らす中、葉は一人の手を取り良いトコ取り。
「オイラ麻倉葉ってんだVv葉って呼んでくれよな♪」
「分かった。よろしくね、葉!あたしのこともって呼んでよ!!」
「あぁ。最近なんか退屈だったからオイラ困ってたんよ。が来てくれてほんと嬉しいんだ。」
「ありがとvvところであの二人、止めなくて良いの・・・・・?」

は蓮とホロホロの方を指差して言った。

「あぁ、気にしなくて良いんよ。あの二人はいつものことだからな。」
葉はの手を握ったまま言う。
「そっかvvじゃあ安心だね。」
そこで納得してしまうだが・・・・
だってほら、ホロホロも蓮も筆箱からカッター取り出してるじゃないか。
今にもシャーマン大戦争になるだろうよ。(何だそれは)


葉の他の男子たちもに近付きたいのだが、3人の空気が恐ろしすぎて近付けない。
だが、転校生が来るなんてことは滅多にない。
のことは既に学校中の噂になっていた。
そしてに会いに来ようとするやつ等は決して少なく無かった。
特に、葉や蓮やホロホロをモノともしない連中・・・こいつらは一番タチが悪いのだ・・・・


「まぁ、貴方がさんですわね。」
最初にの元にやって来たのは、銀色の長い髪の可愛らしい少女だった。
「は、はい。初めまして!」
「私はクラス9の学級委員でアイアン・メイデン・ジャンヌと申します。」
「え、えと・・・あ、あいあんめいでん・・・えーっと・・・・・」
「ジャンヌです。呼ぶ時はジャンヌでかまいません。」
そう言ってメイデンはニッコリと笑った。
「はい、ジャンヌさん!これからよろしくお願いします!!」
そう言ってもペコリと頭を下げた。
何故だか分からないが、この人には礼儀正しくしなくては、との直感が言ったのだ。


「ジャンヌさま・・・お体の具合はいかがでしょう?」
先ほどのマルコはクラスに入って来ていたメイデンを見つけるなり、すぐに声を掛けた。
「まぁマルコ、ありがとう。ちょっとさんに挨拶に来ただけですから。」
そう言いながらメイデンはマルコにニッコリと微笑む。
「そうですか。お大事に。」
そう言ってマルコは頭を下げると自分の席に戻って行った。

「ではさん、また機会があればお話しましょう。」
メイデンも自分の教室へと帰って行ったようだ。


「ねえねぇ、ジャンヌさんとマルコさんって、仲良いの?」
「ん?あぁ、あの二人噂だけど両思いらしいかんな。」
「へ〜〜そうなんだ〜〜〜!!!」
は少し面白がっているようだ。この学校でそんな関係があるとは思っていなかったらしい。



しかし、メイデンの次のへの客人は、この学校で最も厄介な人物だったのだ・・・・・
クラス8にいた以外の生徒は全員、全身に悪寒が走るのを感じた。
扉付近にたまっていた生徒たちは即座にその場を離れて、道を作った。

「あ、あれ・・?みんなどうしちゃったの・・・・・?」
「げっ、アイツ、やっぱの噂聞いてきたんだぜ!」
「全く・・・・つくづく迷惑なヤツだな・・・・・・」
ホロホロと蓮が呟いた。
扉にスッと現れたのは、白いマントに身を包んだ一人の少年。
少年はを見つけるとあっという間にの目の前に近付き、
ふわりとマントをなびかせてそこに降り立った。


「君が新しく転校してきただね・・・・?」
「は、はぁ・・・そうですが・・・・・」
の手を取り、思いっきり顔を近付ける。
「うん気に入った。今日から君は僕の花嫁候補に入るんだよ。」
「はぁ・・・?」

「てめぇハオ!!何勝手なこと言ってやがんだよ!!」
「貴様、それ以上に近付かん方が身のためだぞ。」

「ウルサイなぁ・・・君たちにそんなこと言われる筋合いは無いはずだよ。
 さぁ、僕と一緒に花のアーチをくぐろう!!」
一体何なんだかこの人は・・・・・・
「え・・あの・・・・貴方は一体・・・・・?」
何が何だか分からない状態のだ。
「おっと、ごめんごめん。僕の名前は葉王。麻倉葉王だよ。」
「アサクラ・・・・?葉と同じ苗字なの?」
「葉は僕の弟なんだ。
 そんなことよりこれから一緒に屋上ででもどうかな?」
の両手をさらに強く握りながら言った。
「え・・あいにく授業も始まりますし・・・・・・」
苦笑いを浮かべて答える
「そんなちっちぇぇこと気にすんなよ。」
気にするだろ普通っっ!!


「おいハオッ!!てめぇ生徒会長が授業サボるなんてどういうつもりだよっ!!」
「そうだぞ葉王!授業サボりはいかんのだぞ!」
寝てるお前が言うな。

「全くさっきからウルサイなぁ・・・・
 じゃあ、また後ででもゆっくり話そうよVvじゃあねVV」
そう言い残すとハオはまたマントをなびかせて教室を出て行った。


「あ、あの人がここの生徒会長なの・・・・・・?」
「だから言っただろう。嫌でも会うことになると。」
「う、うん・・・・あのハオって人は何組なの?」
「クラス7だ。あまり近づかんようにしろ。」
「も、勿論!!!」

怖かった〜とハァハァ言いながらは言った。

「にしてもハオのやつ!!を勝手に花嫁候補にしやがって!!」
「気をつけんとアイツは手が早いからなぁ・・・・・」
「ほんとにすごいんだね、ハオって・・・・・・」
「あんなヤツにはかかわらんのが一番だぞ。」
皆して何という言われよう、ハオ・・・・・


「つうか何であんなヤツが生徒会長なんだろうな・・・・・・」
「一体誰が投票したんだ・・・・・」
「そんなの、低レベルクラスのハオファンの女子たちだろう・・・・・・」
「「「はぁ〜〜〜」」」
3人でしみじみとため息を付くのであった。

(ハオファンの女子っ!?意外と人気あるのかなぁ、ハオって・・・・・)


「さてと、そろそろ次の時間が始まってしまうぞ。」
蓮が葉とホロホロを自分たちの席に帰そうと思い、言い出したのだ。
「次は何の授業なの?」
が3人に向かって聞いた。
「ん〜っと・・・幹久先生の霊術だったな、確か。」
「あ、!幹久先生には気をつけろよ!!見た目はただの変態だからな!」
「え???」

この学校は随分変わってるなぁとしみじみ思うであった。


第3話へ

第2話も書いてみちゃいました・・・・・・
っていうかハオ様が生徒会長・・・・一体どんな学校になってんでしょうね・・・・(笑)
3話ではまだ出てなかったチョコラブとか竜さんも出したいですね〜
それからピリカちゃんや潤さんもですねVV
ちなみに潤さんやピリカちゃんは中レベルクラスにいますです。