『ふんばり学園 第3話 ランチタイムはご用心』

「よっしゃー!飯だ飯だーーー!!!」
「んあ・・・?おぉ!やっと飯の時間なんか!!?」
机にうつ伏せで寝ていた葉はホロホロの声に目を覚まし、
『飯』という言葉を聞くなりピシャリと椅子から立ち上がった。
「ったくオメーはよくそんなに寝てられるよなー・・・信じられねぇぜ。」
「ん〜だってオイラ授業聞いてるといつのまにか寝ちまってるんよ〜」
ある意味病気である。


「お昼ご飯はどこで食べても良いの、蓮?」
「あぁ。12時〜1時半までは昼休みだからな。その間ならどこへ食べに行ってもかまわん。
 もっとも、たまに1時半をまわっても帰ってこんヤツらもいるがな。」
と昼食を食べようと歩み寄ってきたホロホロと葉を横目で見ながら蓮が言った。
「へんっ、毎日お姉さんに弁当届けてもらってる奴がよく言うぜ。」
「なっ、何を言うかっ!!!!/////」
蓮は顔を真っ赤にして馬孫刀を構えた。
全く物騒な人間である。
(蓮ってお姉さんって聞くと怒るよなぁ〜どんな人なんだろ・・・・?)

「まぁ蓮もそうカリカリすんなって。ウェッヘッヘ。
それより、オイラと一緒に昼ごはん食べたいんよVV」
ホロホロと蓮が争っている隙をついて葉はまたしても良いとこ取りを試みる。

「てめー葉っっ!!抜け駆けしようったってそうはいかねーぞ!!
 っ!俺たちと一緒に食おうぜ!!」
葉の上に馬乗りになった体勢でホロホロが言った。
「うん分かった!でも私お弁当とか用意してないから買いに行かなきゃ。」
「ならばこの学園のすぐ裏にコンビニがある。そこへ買いに行けば良かろう。」
何気にかっこいい台詞(?)を持っていく蓮である。


「あっ、それならオレらもついて行ってやるからな!!」
「お、オイラも行くんよ・・・・・」
ホロホロの下から葉がつぶれた声を出す。

が、その時



「れーんーVv」
扉の方から高い声がした。

「ね、姉さんっっ!」
顔を真っ赤に染めて反応する蓮。
扉に立っているのはチャイナ服姿で緑髪を逆立てた綺麗な女性だった。
その女性の元へ恥ずかしげに駆け寄っていく蓮。


「よっ、シスコン♪」
蓮の後ろ姿をホロホロが茶化した。
「だっ、黙れっ!!貴様、後で覚えておけよっっ!!」
振り返り際にホロホロにそう叫ぶと蓮は扉の方へと歩いて行った。

「ねぇねぇ、あの人、もしかして蓮くんのお姉さんなの?」
が聞いた。
「あぁ、そうだぜ!ほんと、似てないよな〜」
ホロホロが笑いながら二人を見て言った。
「多分蓮の弁当持って来たんだぜ、潤な。」
「へ〜潤さんって言うんだ〜〜美人な人だね!!」
「性格も正反対なんだぜ。」
ホロホロは相変わらずニヤニヤと笑いながら言っている。


「貴様ら・・・言いたい放題言いやがって・・・・・!!」
片手には先ほど潤から貰ったと見えるお弁当を持っていながら、
蓮は頭のトンガリをビンビン伸ばしている。
の前にまでかっこ悪い(と本人は思っている)ところを見られてしまい、顔は真っ赤だった。

「良いじゃん、あんな優しくて綺麗なお姉さんがいるなんて♪」
はからかう様子はなく、明るく言った。
その笑顔に蓮は一層顔を赤くしていた。
「ちっ・・・・・・」
に言われたんでは仕方ないという様子で蓮は舌打ちしながら馬孫刀をしまった。


「んじゃ、コンビニ行くか。」
「あ、オイラその前にたまおに弁当もらわんといかんのよ。」
「あ、オレもピリカんとこ行かなきゃな。」
そこでコンビニへ行く前に4人はクラス5と6へ行くことになった。
クラス5はたまおの教室、6はピリカのクラスである。



「たまお〜オイラの弁当、あるか?」
「あ、葉様!今お届けに行こうと思ってたんです。これ、どうぞ。」
そう言ってたまおと呼ばれる少女はお弁当の包みを差し出した。
「ウッヘ・・いつも悪いな、たまお。アンナの分、届けといてくれるか?」
「はい。かしこまりました。あ、あれ・・・?そちらの方は・・・・?」
たまおは葉の後ろにいるに気付いたようだ。

「あたしは!今日この学校に転校してきたの。よろしくね!!」
「わ、私は葉様の家で昔修験者見習でした、玉村たまおと言いますっっ!!」
「たまおちゃんだね!よろしくVV」
はたまおの手を握って握手した。
メイデンやハオの時はその気力に圧倒されてしまったが、
こうして見るとはあまり人見知りせず、積極的な性格なのだ。

「んじゃ、次はピリカんとこ行くか。」
葉がそう言って、4人はクラス6へと向かった。


クラス6の前まで来ると、丁度ピリカが扉から出てきたところだった。
「お、ピリカ調度良かったぜ。今日のオレの弁当くれよ!」
「あ、お兄ちゃん!いつも私に持って来させるくせに今日はどうしたの?」
「ま、色々あってな。」
「ふーん。じゃ、これね。あ、その人は誰?」
お弁当の包みを渡しながらピリカは後ろにいたについて聞いた。
は先ほどたまおにしたのと同じように自己紹介し、握手した。

ちゃんね。こんな兄ですがどうかよろしくお願いします。」
そう言ってピリカは丁寧に頭を下げる。
「だーっもうっ!余計なこと言わなくて良いんだよ、ピリカっ!さ、行くぜ!」
そう言って何気ないフリをしての手をひいていく。
その様子をギロリと睨む葉と蓮であった。


ところ変わってここは例のコンビニ、ふんばりストアである。
自動扉が開いて、4人は中へ入って行った。
一人に3人の護衛がついているという感じだ。
「いらっしゃいませぃ!」
元気よく挨拶をしてくれたのは長いリーゼントをユサユサと揺らしている青年だった。
「よっ、竜!お前まだバイトしてたんか?」
どうやらそのリーゼントをした少年は竜と呼ばれているらしい。
「こうでもしねぇと学費払えねぇんっすよ!!だから休み時間はずっとここでバイトっす、ダンナ!」
「オメェも大変だな〜頑張れよ、竜!」

「竜さんもふんばり学園の生徒さんなんですか?」
3人の会話を聞いていたは察しがついたらしく、竜にそう尋ねた。
「そうですぜぃ!って誰なんすか、この可愛いお嬢さんはっ!!!!???」
「私、って言います。今日このふんばり学園に転校してきたんです♪」
「こ、こんな可愛い子が転校してきてたなんて・・・・!!」
竜は相当にショックだったようだ。

「何だよ竜。噂で聞いてなかったのか??」
ホロホロが言う。が、そんな言葉は竜の耳には入ってきていなかった。

「お嬢さん!俺のベストプレイスになってくだせぃ!」
の手を取りキリッとした顔つきで真剣モードの竜だ。
「べすとぷれいす?な、何だかよく分からないので急になれと言われても・・・・・・・」


バシイィッ


突然竜の頭めがけて飛んできたは2L牛乳パックだった。
というか店のもの勝手に投げて・・・彼らはお金を払うのだろうか・・・・・


、昼飯買ったらさっさと行くぞ。変態が移るといけないからな。」
蓮がに向かって言う。またしてもこの人は良いセリフを持っていくのだ。

ちなみに竜は牛乳パックが顔面直撃で、レジのところで完全に伸びていた。
たちはおにぎりとお茶を手に取り、
レジの横にお金を置いて何も無かったようにコンビニを出て行った。


「さてと、どこで食べるんだ?」
「屋上とかで食べてみたいな、私VV」
は楽しげに言った。が・・・
「「「やめろ」」」
3人の声がハモった。

「えっなんでっ!!?」
3人同時に言われて何が何だか分からない
「屋上は変態が出るかんな。気をつけた方が良いんよ。」
「へ、変態・・・・?」
本日あまりに沢山の変態と出会ったため、一瞬固まる
「どこかの生徒会長が貴様を探す時、真っ先に探すのが屋上だろうからな。」

それを聞いてすぐに納得できたであった。


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結局3話目も書いちゃったよ・・・・・
4話もランチタイムのお話ですVv
次回はハオ様大活躍!に出来ると良いですがね〜
生徒会長なんだからもっと目立たなくては!!って感じっすよ!