花言葉にご用心 第1話
「んふっvさんvvお迎えに来ましたよ。」
はぁ・・・・また今日もか・・・
「あぁ観月くん・・・毎日懲りないね・・・・」
そう、この男観月はじめ。
ある事件以来毎日学校が終わる時間になると私のところで来てほしくもない迎えにやって来る。
本当によくもまぁ懲りずにやってくるもんだ・・・・
「それで今日の花は・・・?」
「そんなに僕からのプレゼントの花が楽しみですか?んふっ嬉しいですねv」
「いや別に楽しみじゃないけどどうせ今日も持ってきてるんでしょ・・・・?」
「もちろんですよv」
そう言って後ろ手に隠していた花を私に差し出してきた。
今日のは名前はよく分からないけどピンク色した蘭の花みたいなやつだ。
「これ、何?」
「ファレノプシスですよ。綺麗でしょう?」
「うん。観月くんからのプレゼントじゃなかったら喜んで受け取ってると思う。」
「んふっ照れ隠しですか?そんなさんも可愛いですよv」
「違うわい!」
本当に毎日毎日毎日よくお金が尽きないなーって思う。
昨日はバラ、その前はヒヤシンス、そのまた前はカトレア。
どれも綺麗は綺麗なのだがこの観月はじめからのプレゼントだと思うとどうも嬉しく思えない。
「それでは帰りましょうか?」
「いやっていうか私に拒否権は無いのですか?」
「んふっ、あなたの意思なんて聞かなくても分かりますよv」
「(ナルシストだね、コイツ・・・)あらそう?じゃあさっさと帰ってくれない?」
「何言ってるんですかvさんと一緒に帰るためにここまで来たんですよ、僕は。」
「結構です。(キッパリ)」
本当によくやるよ、毎日毎日・・・・
そう、それというのも今から一ヶ月ほど前の私の何気ない行動がきっかけ・・・・
5月の第2土曜日。世間一般でいう母の日。
私もお母さんにお花を買おうと思って花屋に行ったのですよ。
どの花も綺麗ですごーく迷ったのですがやっぱり母の日にはと思ってカーネーションを買うことにしました。
今思えばこの判断から私の不幸は始まってたのかもしれません・・・・
「お姉さん、このカーネーション5本ください。」
「はい。お母さんへのプレゼント?感心ね。」
「エヘヘ・・・」
花屋のお姉さんはにっこりと笑ってそう言ってくれたので私はちょっとだけ照れ笑いをしていました。
「今日はカーネーション沢山仕入れてるの。お嬢ちゃん可愛いからおまけしてあげるわv」
「えぇっ?本当ですか!?」
「うん。」
そう言ってお姉さんはまた微笑むと3本ほど、カーネーションを多めに入れてくれたんです。
「やったー!得したわ〜v」
私はとっても浮かれ気分で花屋を出て、家へと向かったんです。
軽い足取りで家へと歩いて行ったんです。
あんまり嬉しくて浮かれてたものですから、途中である人物と衝突してしまいました。
そう、それこそが最低最悪の出会い、私の人生最大の過ち、観月はじめとの出会いだったのです。
ドンッ
「いたたた・・・・」
衝突の反動で後ろへ突き飛ばされた私はしりもちをついてしまった立ち上がりながら言ったのです。
「す、すみません。」
その人を上目使いに見ながら頭をペコリと下げました。するとその時手に持っていたカーネーションの花束から、
一本、花がスルリと抜け落ちてしまったのです。
「あっ、お花・・・・・」
私がそう言って拾おうとしたらさっきぶつかってしまった人がそれを先に拾い上げてしまいました。
「あ・・・・・あの・・・・その花・・・・・・」
「カーネーションですか・・・・」
なんだかその人が異常に怖くて、この人に逆らったら殺されるような錯覚に陥ったんです。
それで私は思わずこう口に出してしまいました。
「あ、あのもし良かったそれどうぞ・・・!」
この一言が私の人生を大きく変えてしまったのですから。
「僕に、、ですか・・・・?」
「あ、ハイ・・!今ぶつかっちゃったし・・・・・」
私はうつむきながらそう言いました。彼はとても驚いたように目を見開いていたのです。
な、なんでそんなに驚いているのっ!!?
「貴方、青春学園のさんでしょう?」
しばらく沈黙した後、その人が話し出した。
「え?な、何で知ってるんですか!?」
「この前都大会の応援に来てた人でしょう?
僕のこと分からないんですか?あなた達青学とあたったのですが。」
「え・・・・・あぁっ!!観月はじめさん!!」
「やっと思い出しましたか。」
彼はそう言ってかすかに笑ってくれました。うおぉ!美人だ!!(何)
「それより、この花。貴方の気持ちはしっかりと受け取りましたよv」
「ふえ?」
「何間抜けな声出してるんですか。
んふっ僕もさんが好きですよ。というか正確にいえば今好きになったのですが。」
いやちょっと待ってよ。どういう意味ですか!?
なんか今信じられない言葉を聞いたのですが・・・・しかも「も」って何!?
「あの・・・つかぬことをお聞きしますが、今の言葉の意味は一体何なんでしょうか・・・・」
「惚けないでくださいよ。あなたの告白に対する返事です。」
「こ、告白!!?わわわわわ私がいつそのようなことを!!?」
「全く照れて惚けちゃって。先ほどカーネーションを僕にくれたじゃないですかv」
「いやそれはだからただ単にぶつかってしまったお詫びを・・・・」
「上手く口実を作りましたねv本当は僕への告白のために買ってくれたのでしょう?」
「どこからそういう発想が出てくんのよ!!?」
「カーネーションの花言葉『貴方を熱愛します』からですよv」
時が止まった気がした。
嗚呼、私は何て過ちを犯してしまったのだろう。
神様、もし一つだけ願いを叶えてくれるならお願いです。
私からこの観月はじめという変態を離してください。
「さぁさん、帰りますよv」
「いや結構ですってば。」
そこへ丁度よく現れた人物。それは青学の大魔王、不二周助。
「やぁちゃんvこんなとこで観月なんかと話して何してるの?」
にっこりとお得意の笑顔で現れた彼はすかさず私たちの間に入り込むようにして言った。
でも今日ばかりは今ここに現れてくれて感謝するよ、不二!!
「あぁ、不二か。丁度よかった。これあげる。」
そう言って私は観月から貰ったファシなんとかっていう花を不二へと渡した。
「じゃ、私帰るから!!」
そう言ってすぐにその場から走って行った。
不二と観月はその場に呆然と立ち尽くしていた。
そして次の日のこと。
「っ!!」
私が教室へ入るとエミが私のところへ駆け寄ってきて大声で叫んだ。
「どうしたの、エミ?」
「あんた不二くんに告ったって本当!!?学校中の噂よ!!」
「はぁ!!!!!?????」
「ファンクラブの子たちからすごいブーイング出てるんだから!!」
「ちょっと待って!!私告ってなんかないわよ!?」
「え・・・でも本人の不二くんが言ってるんだから・・・・昨日告白されたって。」
昨日・・・・?まさか・・・あのファレなんとかって花・・・・・・・・・・
私の中で身の毛がよだつほど恐ろしい予感がした。
「ちゃん、おはようv」
「え・・あ、不二くん、、、おは・・・・」
おはようと言いかけた私は硬直した。
そこに立っていたのはなにやらまた花を持って佇む不二の姿!
観月から貰う花だけで手一杯なのにコイツからも花貰ったりしたら・・・・・
「あの・・・その花は一体・・・・」
「これ?僕からの返事vデージーの花言葉って知ってる?」
にこにこと笑いながら彼が私に渡してきた花はデージー。
「い、いえ・・・・」
「知らないの?ちゃんったら花言葉で告白してくるから
てっきり知ってると思ってたよv『あなたと同じ気持ちです』」なんだよ☆」
やっぱり・・・・
あのファレなんとかって花の花言葉が原因だったのね。
何ていう花言葉かは分からないけど、私はまたしても人生最悪の過ちを犯してしまったようです。
観月くんに不二くん・・・・私、もう生きていけないかもしれません。
第2話へ
管理人初のvsモノ。
っていうかどっちを勝たせるか決めてないので・・・(ぉぃ)
っていうか今回は花言葉が主題(?)なわけですが、
花言葉って本とかによって全然違うんですよねー(汗)
だから私が知ってるのと違う〜って思ってもあんまり気にしないでください。