クリスマスプレゼント 前編

ここは氷帝学園中等部。
現在時刻8時55分。
生徒は全員体育館にて朝の朝礼を受けていた。

氷帝にも朝礼なんてものがあったのか・・・ということはあえて考えないことにする。


長い長い校長の話がようやく終わった。
真面目に聞いていた者などほとんどいないと言って良いだろう。
朝っぱらから不機嫌な態度で、
ダラリと立ったまま校長の話は耳をすり抜けて行った。


「校長先生、ありがとうございました。」
何がありがとうなんだか。
司会の生徒のその言葉に、誰もがつっこみたくなった。

「えー・・・ここで、生徒会長のさんからお知らせがあるそうです。」
司会のその言葉に、
半ば死に掛けていた生徒たちは生き返ったように目の色を変えた。

は生徒会長。
誰もが認める美少女で、学園内のアイドルとも言えるだろう。
その少女が朝から指令台に上るのだ。これを見逃す者などいるはずもない。

当然、このメンバーたちも例外ではない。

、どうしたんやろ??」
「さぁなー?けどこの前試合負けてイライラしてたけど、朝からが話するんだぜ!」
「お前ら、少し黙ってろ。」
「おい、が指令台に上がったぞ!」

宍戸のその言葉に全員に注目した。


台に上ったは満面の笑みを浮かべながらそこで一礼した。
ほとんどの生徒はその笑顔に朝からみとれてしまっている。

「皆さんおはようございますv本日も晴天に恵まれまして、とても良いお日和ですね。
 さて、今日私がここに上ったのは、一つ皆さんに提案したいことがあるからです。」
皆、何だろうという顔つきで真剣に彼女の話を聞いている。
「実は先日、我が校誇る男子テニス部が
 全国大会へ行けないまま敗退という最悪な成績になってしまったことはご存知ですね?」


跡部らテニス部員は固まった。
いきなり朝っぱらからそんなこと言い出さなくても・・・・
皆互いに目はあわせないようにして、無言のままの話の続きを聞いた。


「終わってしまったことはとやかく言っても始まりません。
 ただ、男子テニス部のマネージャーもやらせていただいてる私としては
 この結果は非常に残念です。」

そう。は男子テニス部のマネージャーも兼ねていた。
幼少の頃からテニスを習い、それなりの実力は持っていた。
しかし、2年前、肩を痛めてしまい、女テニは引退。
少しでもテニスに関係のあることがしていたという彼女の希望で、
彼女は男子テニス部のマネージャーとなったのだ。


そんなことを話す彼女に跡部たちは一体彼女が何を言い出すのかと
半分は恐ろしげに、半分は嬉しげに聞いていた。


「そこで、次こそは我が校のテニス部が全国制覇を果たせますよう、
 今年から部活内で最も優秀な成果を上げた方に『あるもの』を差し上げようと思います。」

一体なんだと言わんばかりの跡部たち。
いや、それは他のテニス部員も同じだろう。
彼女は特に『レギュラーに』などとは特定しなかった。


「部活内で、最もその存在が部活に良い影響を与えたと思われる方、
 最も実績に高かったと思われる方、
 あるいは最も練習を頑張ったと思われる方に、
 このを一日だけ好きにさせてあげるわv」




一瞬場が沈黙した。

テニス部員でさえも、一体何のことかと固まっていた。


「奴隷、雑用、性欲処理、何でもいたしますVV」

そう言って彼女はニコーッと笑った。
その笑顔は美しい。しかしどことなく怪しい。

さらに文章に少々青少年に対して有害な発言が含まれていた気がするのだが。


ほとんどの生徒は信じられないという顔をしてポカンをその場に立ち尽くしている。


だが、そんな中、ある一角のみ、非常に燃えている集団があった。

「なぁ、今の聞いたか?」
「ったりまえだろ!!!」
を一日好きにか・・・クク・・・・」

「お、お前ら何考えてんだよ!!」

跡部・向日・忍足が怪しげに笑う中、健全少年宍戸は一人立ち向かう。

「「「とセックスすんだよ。」」」

3人とも、見事と言わんばかりのハモりっぷり。
そのあまりに直接的な言葉に宍戸は顔を真っ赤にして言った。

「ば、馬鹿!お前ら何言ってんだよ!!」

「何って・・・・なぁ・・・?」
「あぁ、だってが良いって言ってんだし。」
「俺は嫌だって言ってもヤるけどな。」


彼らの周りにいた生徒らは皆少しでも彼らから離れようとしていた。
もはや朝礼は滅茶苦茶だ。


「テニス部の皆さんー!分かりましたねー??あ、この企画はクリスマスに表彰しようと思います。
 私からのクリスマスプレゼントですよvv」

そう言ってまた最後ににっこりと笑うとは楽しそう台から降りて行った。
凍りついたその場のことなど全く考えないまま、
はご機嫌最高潮で自分の場所へと戻って行った。


「フフン、は俺様が貰ったも同然だな。」
「何言ってるんや!跡部なんか真面目に練習しとらへんのやからな。やっぱ俺やろ?」
「ゆーしもありえねーって!やっぱここはアクロバの俺に決まってるぜ!」
「っていうか俺でしょ・・・?」
「「「ジロー、おきてたのか!」」」
の声で目覚めた。」
「なるほどなー。」

「っつーかこれは部長特権だろ、普通。勝つのは俺様だぜ。」
「部長なんて関係あらへんやろ!!!」


こんな調子の3年レギュラー陣。
そしてまたとある一角、2年生の一部でもこんな会話が。


「樺地さん、聞きました?」
「ウス・・・・・」
さんがあんなこと言うなんて・・・・・・」
「ウス。」
「きっと跡部先輩たちも絶対狙ってますよね。」
「ウス。」
「大変じゃないですか!さんが他の男に取られてしまうなんて!」
「ウス。」
さんがっ・・!跡部さんや忍足さんの腕の中で狂ってるなんて・・・・!!」
「ウ、ウス・・・?」

どこまで想像してるんだ、少年よ。

「ま、こうなったら俺が勝つしかりませんよね。」
「(フルフル)」
流石跡部に仕える樺地くん。ご主人様に忠実なようです。

「俺が勝てば良いだけのことっすからね。さんを守ってあげなくてはv」

お前が一番危険だよ。とつっこみたい周りの人間たちであった。



こうしてドタバタな争奪戦が始まった。

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・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
何ですか、コレ・・・・・(自分で言うな)

いえね、なんとなく、氷帝逆ハーって書いてみたくて・・・
それで私が書いてたらこんなんになっちゃいました。
アハハ・・・・(もう笑うしかない)

なんでこうも変なヒロインばっかなんでしょうねー・・・
途中までヒロインちゃん普通だったのになぁ・・・・