※これは時間的には『クリスマスプレゼント』のお話のヒロイン争奪戦最中だと思ってください。




氷帝学園生徒会長にして氷帝最強の生徒。
そして何かと企画を行うのが好きなんです。

13日の金曜日 前編

13日の金曜日。
あまり意識しない人はしないのだろうが、
意識する人はかなり気にしているのだろう。

なんとなく、縁起の悪い日。
しかしここ、氷帝学園。
企画好きの生徒会長はこのある意味『特別な日』を逃したりはしない。



「榊監督、明日、何の日かご存知ですよね?」
「明日?何かあるのか?」
「えぇ。明日は13日の金曜日なんですよ。」
男子テニス部の練習風景を見ていたと榊。
はいつもながらまた突然話し始めた。

テニスコートではパコーンと小気味よい音が響いてボールが飛び交っている。
それを笑顔で見つめるの栗色の髪が風になびいて、
何も知らない人が見ればとても絵になる光景である。

「13日の金曜日か・・・それがどうかしたのか?」
「ちょっとした・・・テニス部の企画でもやってみてはどうかと思ったのですが・・・・」
「企画?」
「はい。」
はニッコリと笑って続けた。

「男子テニス部陣でちょっとした夜の練習会ですよ。」
「練習会?テニスのか?」
「他に何があるのですが?まさかこの私が性教育会でも提案すると?」
思う。と答えたかった榊だが、とりあえずここは口をつぐんでおこう。

「いや、そうは思っていないが・・・・」
「ですよね。(ニッコリ)つまりですね、ちょっとした肝試しも交えたゲームでもしようかと。」
「ゲーム?(また何かする気か)」
「はい。きっと皆さん楽しんでいただけると思います。」
「そうか;・・・?」
「じゃあ私、早速皆さんに報告してきますね。」
「い、いやちょっと待て・・・!一体何をする気だ!?」

そんな監督の言葉は無視して、はスタスタとコートへ歩いて行った。


「レギュラーの皆さーん。集合してくださーい。」
がそう声を掛けると、あっという間にレギュラー達は彼女の周りに集まってきた。

〜ッ!!」(向日)
「なんや、どないしたん?」(忍足)
「何の用だよ、練習中に。(嬉しいけどよ)」(跡部)
「用があんならさっさと済ませろよな。」(宍戸)
先輩、こんにちは。」(鳳)
「・・・・ウス・・・・・」(樺地)
「あっ発見〜〜!!!」(ジロ)


「皆さん随分と精が出ますことで。
 それで明日の夜、ちょっとした企画を考えているのですが・・・・どうでしょう?」
「「「「「明日の夜??」」」」」
(樺地を覗く)面々の声が揃った。

そう、夜と言えば男にとってはまさにロマンの時間!(何)


「明日、何の日かご存知ですか?」
「明日?何かあったっけ?」
「えぇ。」
そう言ってはニッコリ笑って続けた。
「明日は13日の金曜日なんです。」
「「「「「13日の金曜日??」」」」」
「皆さん、13日の金曜日のお話はご存知ですよね?」

「まぁ知らなくはないけどさ〜」
「せやけどだからって何かあるん?」

「ちょっとした企画ですよ。明日の夜、13日の金曜日に因んだゲーム大会でもしようかと。」
「因んだゲーム?」
「詳しいゲームのルールは明日説明します。それで、皆さん参加するんですか?」

がそう尋ねるを真っ先に答えたのは跡部。

「優勝者は何か商品は?」
「あ、俺もそれ気になっとってん!」
「どうなんですか、先輩?」

「う〜ん皆さん流石お目が高いですね!
 勿論、何か商品が無いと燃えないでしょう?勝負は真剣でなくては面白くないですからね。」
「へぇ・・・で、何が貰えるんだ?」
「っちゅーかリクエストしてええ?俺欲しいもんあんねんけど・・?」
「駄目です。」
にっこりといつもの笑顔で言われて、忍足はがっくりと肩を落とした。

「でも一体何が欲しかったんですか?」
「そんな決まっとるやん。そりゃがッ・・・・ぐはっ・・・・・」
気付けば忍足は腹を抱えて座り込んでいる。

「で、続けてよ、。」
たった今彼に一発お見舞いした向日が何事も無かったかのように言った。
「そうですね。」
もそれに納得してしまった。


「だけど商品・・・思いつきませんねぇ・・・
 またクリスマスプレゼントみたいに私の所有権じゃ駄目ですか?」
※『クリスマスプレゼント』参照のこと


いや駄目っつーか・・・・
むしろそれ希望!!!!


と言いたいところだったが、ここは黙っておくことにした。
「へっ、俺はかまわねーぜ。」
「俺もー。じゃあ、膝枕してよね。」

「ジロちゃんが勝ったらね。」


「と、いうワケなんですから、皆さん明日午後6時にこのテニスコートに来るように。
 では、行って宜しい!」
がそう声を掛けるとレギュラー陣はコートの中へと散って行った。


絶対優勝してやる!!!

そう心に誓いながら。



そして翌日、12月13日午後6時。

テニス部レギュラー陣はに言われた通り6時にコートへやって来た。
しかしそこは明らかにいつもとは違った雰囲気が漂っている。
何やらどんよりとした、気味の悪い雰囲気だ。

流石の氷帝レギュラーと言えども、少し引け目を感じてしまっていたほどだ。
「なんや、気味悪いなぁ、今日のテニスコート・・・」
先輩、何考えてんでしょうね・・・」
「・・・・ウス・・・・」
「ふぁ〜・・・暗いと俺眠くなってきたC−・・」
「ジロー、お前に暗さは関係ないだろ。」
「にしてもどこだよ?」
「ったく・・・俺ら呼び出しておいて何やってやがんだ。」


「とっくに来てますよ。」
レギュラー陣が話している時、突如背後から聞こえてきた声に全員飛び上がりそうになった。

「皆さん、ようこそおいでくださいました。」
そう言ってはニッコリと笑って見せた。
既に日は沈んでいるので、ライトにほんのり照らされる彼女の顔は少しばかり怖い。
いや、大分怖い・・・・


「ようこそ、ジェイソンの支配するテニスコートへv」
「「「「「「ジェイソン??」」」」」」
「えぇ。今日は皆さんには殺人鬼ジェイソンの魔の手から逃げ延びてもらいます。」
「何だよそれ・・・・」
「宍戸くん、黙ってください。雰囲気を出そうとしている私が馬鹿みたいじゃないですか。」
「わ、悪い・・・・」


「では早速今日行うゲームのルールを説明しますね。
 名付けて、『ジェイソンから生き残れ!氷帝R陣命を掛けた戦い!』です。」
「で、ルールは?」
の所有権』を獲得したくて仕方ない跡部が、促すように問い掛ける。

「ルールは簡単です。ここにトーナメント表が作ってあります。
 このトーナメント通りに試合をしてもらうだけです。」
「あぁ?それじゃただのゲームじゃねーか・・・・」
「えぇ。でも当然これだけじゃありません。
 今日は負けた方から順に殺人者ジェイソンの餌食となってもらいます。」
「「「「「「は?」」」」」」」


レギュラーが何がなんだか分からない表情をしていると、
は後ろに隠してあったと見える大きな鍋を取り出した。
そこにはグツグツと煮えたぎっている不思議な液体が入っている。
どう見ても、食べ物には見えなかった。

先輩、これ、なんですか・・・・?」

「良いですか、皆さん。今日のジェイソン役はこの私です。
 そして負けた選手には、この特製の『殺人ジェイソンドリンク』を飲んでもらいます。」


は???
飲めるのか、それはっ!!?


レギュラーの顔が一気に青ざめるのが分かった。

「さぁ皆さん始めましょうか。ジェイソン・デス・マッチのスタートです!」



ま、負けられねぇ・・・・!!!


優勝商品の意味でも、負けたモノへの罰の意味でも絶対に負けられませんね。

→後編へ

また書いちゃいましたこの生徒会長・・・・
ルドルフ生徒会長と似たような設定なんですけどね。
氷帝生徒会長の彼女は現在特に恋愛している相手はいないと言う違いでしょうか。(違うだろ)
どうもこういうヒロインに弱いですな、あたしは・・・・・

ってか背景暗めの割にえらいギャグな話ですな・・・(爆)